細かな不具合はタイヤのせいだった!? タイヤ交換で洗練された走りを取り戻したBMW 320i

Octane UK

好評連載、『Octane』UK版スタッフによる愛車日記。今回は1989年BMW 320i コンバーチブルに約11年間乗っているグレン・ワディントンがタイヤの重要性についてレポートする。



この前の週末は、ルーフを開けてBMWに乗るには最高の天気だった。実は前回旅行してから3週間も車庫に入れっぱなしだったのだ。ボクスターはオフィスのすぐ裏に置いているが、BMWは数キロ離れたところにあるガレージに保管しているからである。

走り出すと、その洗練された走りに酔いしれた。そして、乗り心地と振動の少なさにふと気がついた。そういえば、タイヤを新しくしたのだった!



約11年も乗ってきたにもかかわらず、この320iの走行距離は1万4000キロほどである。この車を購入した当時、タイヤはフレッシュだった。よくわからない銘柄のものだったが、新しいタイヤだったことは間違いない。しかし、さすがに11年もたつと、溝の深さはまだ残っていたものの、サイドウォールが劣化しているということでMoT(イギリスの車検)時に勧告を受けてしまった。

以前から、それほどキツくないコーナーでもキーキーと鳴くことがあった。しかし普段は静かだったため、乗り心地の悪さも含め、それはタイヤのせいではなく1980年代初頭のドイツのサスペンション工学のせいかと思い込んでいた。ところが、かつて私が勤めていた雑誌のモータージャーナリストで、ここ数年はボーリューにあるヴィンテージタイヤショップのマネージングディレクターを担当しているベン・フィールドに電話すると、そんな私の思い込みは間違っていたことが判明した。

私たちはタイヤのサイズについて話し合い(私の320iはオプションのBBSクロススポークホイールを装備しており、205/55 15のタイヤを履いている)、ベンはVredestein Sprint +を勧めてくれた。



取り付けの時に技術者のオリーとスティーブに会ったのだが、いくつか大事なことを教えてもらった。1つ目はキーホルダーに付いている小さな鍵は、ホイールナットのロック用だということ(ナットの上に小さなバレルがあり、ホイールごとに1つ付いている)。2つ目は、BBSのホイールは素晴らしい出来栄えで、状態も申し分ないということ。3つ目は、新しいタイヤが異常なくらいによくできていること。4つ目は、古いタイヤはまったくのガラクタであること。

「バランスウエイトはホイールの歪みを直すために使うと思われがちだけど、本当は歪みの原因はタイヤなんだよ」と、スティーブは教えてくれた。

「そうそう、新しいタイヤのうち1本はバランスウエイトがまったく付いていないんだ。後ろのタイヤのウェイトは90gあったのに、前輪は15gしかない。90gは大きいからね」



私がドライブトレインの問題だと感じていたわずかな粗さや、何年か前に同僚が私の後ろを走ったときに「後輪が曲がっているよ」と指摘してきたこともこれで説明が付く。

タイヤ交換をした今ではもう、時速65マイルくらいで走ると発生していた軽い振動も、過去の話だ。一次的な乗り心地(長い起伏での反動が少ない)と二次的な乗り心地(バンプでのショックが少ない)は確実に良くなった。タイヤ鳴きもなくなり、浮遊感も出て、とても滑らかな走りになった。新しいタイヤは見た目もよく、クラシックなトレッドと丸みを帯びたショルダーが、1980年代のBMWのスタンスを感じさせてくれる。10年前に装着しておけばよかったと思うほどだ。



文:Glen Waddington

オクタン日本版編集部

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