見どころ満載の旧車イベント「レトロモービル」に活気が戻ってきた!

Tomonari SAKURAI

今年もこの季節がやって来ました。パリが旧車に埋め尽くされるとき。旧車の祭典レトロモービル。それに合わせて大手のオークショニアがこのパリでオークションを開催する。まずはレトロモービルを数回にわたって紹介したい。

昨年も行われたレトロモービル。昨年のレトロモービルはコロナ禍でイベントが行われないのを好機とした会場のイベントホールの改修のタイミングと重なった。そのため規模は半分くらいに縮小されていた。しかし今年は違う!完全復活といった様子で見所も満載だし、来場者も戻ってきてすごい人の数!盛り上がり方がすごいのだ!

何度か紹介しているルクセンブルクのArt & Revsが初出展。TOYOTA 92C-V、JAGUAR XJR-14が美しく展示。

リシャール・ミルのブースの展示はクレイ・レガツォーニの駆ったフェラーリ312Tなど。

こちらに住んでいるので気がつかなかったが、日本から来た人たちは「皆マスクしてませんね」と言う。そうだ。もうこちらでマスクをしている人はほとんどいない。また感染者が増えてきているというニュースがあるため、持病を持っている人や年配の人が少々マスクをしている程度で、コロナの話を気にする人はほとんどいないというのが現状。まあ、そのために国民は外出禁止令だのワクチンパスポートに従ってきたのだから、その規制が撤廃されたら元の生活に戻るのが当たり前だ。そして今、レトロモービルも元に戻ったのだ!

今年はル・マン24時間レース100周年。それを祝う展示も。

ル・マン24時間レース100周年記念展示。Simca-Gordini Type Cing。

ヴィンテージカーといえば当然化石燃料で動く乗り物。しかし、ここパリでは電気自動車のみが走れる状況になるまでもう秒読みの状態で、フランスが最も早く電化すると息巻いている。フランス車はそれに追従しているわけで、ヴィンテージの世界でも黙っていない。その一例がルノーだ。ルノー5ターボの電動レーシングマシンのプロトタイプなどはすでに話題となったが、今回はルノーの旧車を電動カーにするサービスが発表された。ルノー4と、今回30周年で特別展示の初期のトゥインゴを改造する純正のサービスだ。パワーコンポーネンツを電動モーターにしてバッテリーにする。それでもエンジンの時と変わらない重量バランスを保つようにしているところがさすが純正。ただし、旧車ということで走行距離を余り長く取らず80kmほどにして、バッテリー重量でバランスが変わらない方を選んだようだ。メーカーが過去の車両を電動化するサービスをおこなうのがフランスらしい。

ルノーの展示は30周年のトゥインゴと、電動自動車の旧車達だ。

ルノー4をレストアしてルノー社純正の電動車としてカスタムするサービスが始まった。

旧車のパーツやコレクションを販売するコーナーもいつも以上に盛り上がる。ホールとホールを繋ぐ通路。ここの展示の今年のテーマは「VAN LIFE」。ちょうど日本で流行っている車中泊を思い起こさせる。ちょっと趣味性を高めた車中泊のアイデアの源になるのでは?

フランス的車中泊。まずはULTRA VANの微笑みから。

2CVベースのキャンピングカー。これはコンセプト。奥には便器も見える。

そして今年も大人気の「25,000ユーロ以下でエンスージアスト」コーナー。今のレートでは少々飛び出てしまうが、「300万円で買える趣味の車」販売コーナーといった位置づけで盛況だ。

「300万でエンスージアスト」コーナー。

ヤングタイマーにはトヨタスープラの登場!

・・・という感じで、どこも盛り上がっていたレトロモービル。次回はバイクに焦点を当ててみる。お楽しみに。

フランスでは30年たつとコレクションカーというカテゴリーになる。それほど乗らないという事もあり、保険も安くなる。そんなこともありヴィンテージカー保険がある訳で、保険会社も旧車を展示している。1954年のBRISTOL 450 Le Mans。1954年55年と2年連続でクラス優勝を果たした。昨年のコンクールデレガンスでも受賞している。

写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

櫻井朋成

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