70年近く前の愛車のヒストリーもわかる!「ヘリテージ・サーティフィケイト」で1955年ランドローバーの出自を探る

Mark Dixon

『Octane』UK版スタッフによる愛車日記。今回は1955年ランドローバー107ピックアップを所有するマーク・ディクソンのレポートをお届けする。愛車のヒストリーを、しかるべき機関でリサーチしてもらったことで愛着は一層増したようだ。



私の愛車である1955年のランドローバー107、車両ナンバー「PDF666」が農場の納屋から数マイル離れた、さらに安全な場所に移されてからもう2年も経つとは驚きだ。最近は残念ながら、昔のように気軽に道路を走ることができていない。

イギリス・ゲイドンにある『ブリティッシュ・モーター・インダストリー・ヘリテージ・トラスト』の関係者が、かの有名な「ヘリテージ・サーティフィケイト」をどのように作りあげているかを親切にも見せてくれたときのこと。私のPDF666もリサーチの対象だというので、履歴情報を調べてもらうことにした。

この保管庫には、古いBMC/BLブランドの資料に加え、アストンマーティンやラゴンダの記録も保存されている。そう言って個人的に案内してくれたのは、SCO(シニア・サーティフィケイト・オフィサー)のリチャード・バッカスだった。彼は1950年代のランドローバーの公式文書の原本(もちろんすべて手書き)を探し出し、その後、メーカー台帳からのあらゆる詳細な情報が盛り込まれた洗練された認定証を作成し、プリントしてくれた。



認定証によると、このPDF666は1955年6月14日に完成し、そのまま6月16日にチェルトナムのディーラー、スティールズ社に出荷されたことが判明した。

インターネットで「heritage certificate」と検索すると、英国自動車博物館のウェブサイトが表示される。このウェブサイトにはさまざまな選択肢があり、どの記録がアーカイブに保管されているかという詳細な情報も確認できる。通常の認定書の費用は、43ユーロ+送料+梱包費用だ。私は知らなかったのだが、6ユーロで具体的な質問に対する回答をメールで依頼することができ、しかも1営業日以内に回答が届くというサービスもある。特定の車両の購入を検討する際に、その車がオリジナルであるかどうかをファクトリーの記録と照合し確認したい場合など、非常に役に立つだろう。

どうやら私のランディ(ランドローバーの愛称)は、限られた狭いエリアから出ることはなかったようだ。というのも、「DF」という記号は、グロスターシャー州(おそらくスティールズ社)で登録されたことを示している。2015年に私がブライトウェルズのオークションで購入するまでは、隣接するウスターシャー州でその生涯を終えようとしていた車であった。

片方のドアには「アックスボロー・エステート」と手書きされているが、私はこの車が私有地専用の車ではなかったのではないかと推測している。噂では、公道使用の課税を逃れたいという淡い期待から、前の所有者がこれを書き加えたとか。ナイストライ、と言っておこう…


文:Mark Dixon

オクタン日本版編集部

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