富士モータースポーツミュージアム開業から1年を経て ~「聖地」をデザインするという情熱~

Kazumi OGATA


【NEWS】展示車を一部入替え| 国際大会で初めてクラス優勝した「富士号」も


富士モータースポーツミュージアムでは来年1月末までにかけ、展示車の一部入替えが順次行われている。

展示車両は連携各社の協力により定期的に入替えが行われており、今回は「オーストラリアの悪路を走った日本車 1万7千キロ走破 Mobil gas trial」コーナー、「栄光の日本グランプリ 鈴鹿サーキットと富士スピードウェイ誕生」コーナー、「アメリカンドリームへの挑戦」コーナーおよび「創業者とモータースポーツ 本田宗一郎氏」コーナーの展示車両が入替えられる。展示車両の詳細は以下の通り。

日産自動車株式会社
展示期間:2023年12月21日(木)~2024年12月中旬(予定)

●ダットサン 富士号(1958年豪州ラリー クラス優勝車)
1958年、日産自動車は初の国際競技挑戦となる第6回豪州ラリーに「富士号」「桜号」と名付けた2台のダットサンで参戦。事前に入念な準備を経て挑んだ結果、「富士号」がクラス優勝、「桜号」も同4位入賞を果たした。

●ニッサン R381(1968年日本グランプリ優勝車)
1968年の日本グランプリ優勝を目指して開発。自社製のV12・5Lエンジンの開発が間に合わず、やむを得ずシボレー製V8・5.5Lエンジンをチューンして搭載した。また、操縦安定性を確保すべく“エアロ・スタビライザー”と呼ばれる左右分割型の可変リアウィングを採用。コーナリング中は左右が独立してウィング角度が変化し、ブレーキング時は左右ウィングが連動して立ち上がる姿から「怪鳥」と呼ばれた。R381は3台が出場、1台はリタイアしたが残り2台が1位、6位入賞を果たした。展示車両は北野元選手の運転で1位となった実車。

本田技研工業株式会社
展示期間:2024年1月末~2025年1月末(予定)

●RC162
1961年のロードレース世界選手権250ccクラスに参戦。全11戦中10戦で優勝し、ライダーおよびコンストラクタータイトルを獲得した。展示車両は、チャンピオンとなったマイク・ヘイルウッド選手が搭乗した実車。(Photo:本田技研工業株式会社)

●RA273
1965年のF1最終戦メキシコ・グランプリで初優勝を飾った同社が、翌年参戦に備えて開発。同年から採用された新エンジン規定である排気量拡大(1.5L→3L)に対応可能な新車体の開発に時間を要したため、66年は3戦を以てシーズン終了となった。翌67年も継続使用し一層の熟成と軽量化を進めるとともに、チーム体制を一新。元世界チャンピオンのジョン・サーティースを招聘したことで、南アフリカ・グランプリ3位表彰台、イギリス・グランプリ6位、ドイツ・グランプリ4位入賞を果たした。展示車両は、同年のF1世界選手権ドイツ・グランプリに出場して4位入賞した実車。(Photo:本田技研工業株式会社)

●LOLA T93
ホンダは、アメリカにおけるレース活動をサポートするために、1993年、HPD(Honda Performance Development, Inc.)を創設。翌94年からアメリカ最高峰のオープンホイール(フォーミュラカー)カテゴリーだった「CARTワールド・シリーズ」へのエンジン(V8・2.65Lターボ)供給を開始。参戦当初はライバルとの性能差や信頼性に大きなギャップがあったが、現地主体で取り組んだ同社「三現主義」の実践により、1995年に初優勝を獲得した。展示車両は、1994年のCART初参戦車両。


富士モータースポーツミュージアム
住所:〒410-1308 静岡県駿東郡小山町大御神645
TEL:0550-78-2480
開館時間:10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
休館日:年中無休 ※但し、2024年1月10日(水)は臨時休館
入館料:平日)大人 1,800円/中高生 900円/小学生 700円
    土日祝日) 大人 2,000円/中高生/1,000円/小学生 800円
※消費税込み/オンライン・団体割引あり
※開館時間・休館日や入館料の詳細は公式WEBサイトをご覧ください。
https://fuji-motorsports-museum.jp/

平井大介

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