宇都宮からやって来たメッサーシュミットにパリで遭遇!|ヴァンセンヌ旧車クラブ定期ミーティング

Tomonari SAKURAI

フランスの最大級の旧車クラブであるヴァンセンヌ旧車クラブ(Vincennes Ancien)。毎月第1日曜日、パリの東方ヴァンセンヌ城前でミーティングが行われる。3月は第1日曜日にマラソンがあったため2週目の12日に変更となった。ヴァンセンヌ城はヴァンセンヌの森に面している。ヴァンセンヌの森はほぼ1000ヘクタール、東京ドーム213個分という広さを誇り、競馬場、動物園、自転車競技場、国立移民史博物館などもある。その広さゆえ、さまざまな競技イベントなども開かれている。

レトロモービルも閉幕し、久しぶりに気温も10度ほどになり春の足音が聞こえてきたこの日。さて、どんな車達が集まってきているのか?正直言うと、毎月行われるクラブミーティングなので、それほど代わり映えのない車達が集まるのが常である。いつもと同じならば、どうやってこの記事で紹介しようか?とヴァンセンヌに向かう道中考えを巡らせていた。ちなみに現在フランスでは定年の年齢を62歳から64歳へ引き上げたことに抗議して毎週のように大規模なデモやストライキが行われている。自宅からヴァンセンヌまではちょうどパリを挟んで西の端から東の端へRER(フランス地域圏急行鉄道網)A線で1本で出かけられる。しかしこの日曜日も、前週からのストライキの影響でほとんど鉄道が運行されないということで、愛車BMW R1100Sで出かけたのだ。

多いときは会場の端までびっちりと旧車で埋め尽くされるのだが、遠くから見る限りでは今日はそれほど多くないように思えた。さて、いつもの常連参加者ばかりだったらどうしようか?とやや心配になってきた…

スケッチをはじめる。皆それぞれの楽しみ方で楽しんでいる。

端から車を選んで撮影をし始める。すると、この場では珍しいメッサーシュミットを発見。撮影しているとオーナーに声をかけられた。「このメッサーシュミットは宇都宮からやって来たんだ」なんと、日本の方だった。お気に入りのメッサーシュミットを日本から連れてきてしまったのだという。そのメッサーシュミットへの愛を熱く語るオーナー。これは改めてじっくり取材させていただこうとお願いした。

宇都宮からやって来たメッサーシュミット!

オーナーはこの角度がお気に入り。確かに、メッサーシュミットは色々な表情を持つのだ。

他には戦前の車が目に付く。モーリス8とライレー12/4 が並んでいる光景はこのヴァンセンヌでも珍しい。ライレーはベルギーからの参加だ。フランス車だって負けてはいない。シトロエンC5 HPなんかもいる。このクラブの主査の一人であるティリーさんも笑顔で「今日はきれいな車が多いよ!」と興奮気味だ。シトロエン2CVの分解時間でギネス記録保持者のブブさんは新しくフィアット600ムルティプラを手に入れて参加。これはまたじっくり撮影したい。600といえば、日本車でホンダS600も参加していた。

この定例ミーティングでは珍しい光景。モーリス・エイトとライレー12/4。

フィアット600 ムルティプラがやってきた。これもじっくり見てみたい。

季候も良いので二輪も増えてきた。パリ横断の時のようにソレックスも多数参加だ。相変わらず人気のカワサキの2ストマッハにマッハ・スリーが。ここでは珍しくBMW RS100が3台で並んでいる。1月のパリ横断に参加したツェンダップも集まってきた。

常連カワサキマッハ。

カワサキマッハIIIも登場。

ピカピカなツェンダップ達。

参加台数はそれほど多くはなかったが参加車がぐっと濃い3月のミーティング。新しい旧車も増えてきて春の足音と共にワクワクさせるミーティングとなったのだ!


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

写真・文:櫻井朋成

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