いつでもどこでも撮りたくなる愛車|アウディTTの「カー・セルフィ―(自撮り)」にハマる !?

Evan Klein

『Octane UK』スタッフや寄稿者による愛車日記。今回は2001年 アウディTTに乗るエヴァン・クラインのアメリカ西海岸発のレポートをお届けする。最近はどうやら愛車の「自撮り」にハマっているようだ。



車輪を発明した古代の人々は、現代の我々が果てしない渋滞に巻き込まれることを想像していただろうか、と古き時代に思いを馳せたりする。だが、そんな旅のロマンチックな気分は、隣の車から聞こえてくるラップミュージックの低音で、すぐにかき消されてしまった。

しかし、このアウディが私と撮影機材を積んで目的地に難なく送り届けてくれる大切な相棒であることは間違いない。私はいつどこに行っても、この大切な我が愛車を撮影するチャンスを狙っている。

このTTの画面に、私がこれまで見たこともないものが現れた。ドライビングタイマーだ。ダッシュボードに「2:00」という文字が点滅し始めたとき、実は私はエラーコードだと思ってしまった。しかしどうやら、私が2時間も運転していたので車が「休憩しなさい」と勧めてくれていたのだということに気が付いた。

その時たまたま、私はカリフォルニアで車の運転が許可されている唯一の砂浜、ピスモビーチの近くにいた。これは撮影せずにいられるわけがない。しかも、費用はたった5ドルだ。

たくさんのピックアップトラックの横で砂浜に座り、照明機材をセットして私は撮影を始めた。そこでは、お昼ごはんを撮る人もいれば、ペットを撮る人もいる...。そして私の撮影は、言うならばカー・セルフィ―、つまり車の自撮りだった。

ラスベガス・コンクール・ショーでベガスに行くと決まった時に撮影場所として真っ先に思い浮かんだのはヴァレー・オブ・ファイアー州立公園だった。しかしそこは国立公園なので、特にプロ用の写真機材を持ち出すと森林監視員の不興を買うことがある。

公園への出入口は1カ所しかないため、素早く終わらせなければならないことはわかっていた。この公園には観光客専用の待避場所がいくつもあるのだが、大抵はトイレの横にある。つまり、他の観光客が写り込んでしまうのだ。とにかくユニークな写真を撮りたかったので、赤い岩に囲まれた小さな場所に陣取り、キャンピングカーとSUVの永遠にも思える流れが止まるのを待った。シャッターを切ること58回。その後、監視員から文句を言われることもなく、私たちは荷物をまとめて帰路につくことができた。

今やラスベガス・ストリップは、かつてのジェームス・ボンド映画のようには見えない。大通りはアミューズメントパークさながらで、立ち止まっている余裕もないほどだ。となると、昔ながらのベガスの反対側、つまり“本当に昔の”ベガスのエリアに行くことに賭けてみた。しかし、フェンスで囲われて区分けされてしまった古いホテルがあるだけだった。ならば、もう交差点で撮影すればいいか。警察が来るかも?うーん...とにかく試してみよう。そうしてストロボをたいた。酒屋の横に車を停めたが、当然ながら人々が行き来していた。カメラを覗き込みながら私は、「通行人が写り込むのも悪くないかも?」と思った。



砂漠を抜けてロサンゼルスに戻り、2時間が経過した頃、またダッシュボードに例のサインが点いた。ちょうど良い時間だし、休憩としよう。高速道路を降りると、そこは本当に無人地帯だった。そうだ、ストロボをたいて、また車の自撮りをしよう。

帰宅後、オイルをチェックしてみた。エアコンを冷風にして、カーステレオも使い、時速80、90、100マイルで巡航したところ、半クオート(約0.5リットル)減っていた。私のTTは2001年の車で、走行距離は10万キロを超えているが、エンジンは息切れせず、一発で始動する。ちなみに、私の父が信じる「世界で最高の車」は、ウィリス・ジープスターだという。私の場合は、TTが「世界最高の車」だとは言わないが、高く評価していることは断言できる。


文:Evan Klein

オクタン日本版編集部

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