2001年アウディTTも、もはや立派な「クラシック」?|『Octane UK』スタッフの愛車日記

Evan Klein

イギリスの『Octane』スタッフや寄稿者から届く愛車日記。今回はエヴァン・クラインによるアウディTTのレポートをお届けしよう。



私が修理を頼もうと連絡したショップは、この2001年アウディTTを「クラシック」と呼び、「申し訳ありませんが、そのアウディはもう20年経っていますから(私の手には負えません、ということだろう)、私が知っている別の業者を紹介しましょう」と言われた。私は心の中で静かに笑ってしまった。この世代のショップの方々は、“クラシック”なアルファロメオを見たことや、ウェーバー(のキャブレター)やスピカの燃料噴射装置と悪戦苦闘したことがないに違いない。

アルファロメオといえば、私はボッシュの燃料噴射装置を装着した1986年のアルファ・クアドリフォリオ・スパイダーを裏庭に保管している。そして、このことは妻には内緒である。「私がもう1台車を持っていると妻が知ったらどうなることか…」しかも、登録は私の名義だ。アルファをそこに置いている間は雨も降っていたし、バッテリーがあがっていて、始動しなかった。

気晴らしに芝刈りをすることにし、ガレージのドアを開けた。前回芝刈り機を使ったのはもう6週間も前だったが、コードを引っ張って電源に差し込んだらすぐに始動した。思わず、アルファと芝刈り機を見比べてしまった。

さて、アウディTTの話をしよう。ある朝早くのこと、アクセルを踏み込んでもパワーが出なくなってしまった。アイドリングが続き、ガソリンをさらに送り込んでやっとのことで動く状況だった。そのとき、アルファのことが頭に浮かんだ。これは燃料の問題で、おそらく燃料フィルター(フュエル・ストレーナー)が目詰まりを起こしているのだろう、と思った。ジャッキアップし、プラスチック製のアンダートレイを外した。いかにもアウディらしいフュエルラインクリップと、フュエルラインで途切れているフィルターのインレット・アウトレットの根本も、何とか対処した。

その後も何度も文句をつぶやきながらも、やっとのことで古いフィルターにたどり着いた。試しにそこの小さな容器にガソリンを入れてみると、黒いシロップのようなものが大型のフィルターからとめどなく出続けた。私は、車の天才になったような気分だった。なんとも適切に、自ら症状の診断をしたのだから。



新しいフィルターに取り替え、パーツをもとに戻して、もう準備万端だった。手は油で汚れていたが、そのままイグニッションを回してみた。期待通りにエンジンがかかったが、すぐに止まってしまった。何度もセルを回してみたが、今度はまったくダメだった。燃料ポンプのせいか?

アルファに乗ってパーツストアに行こうとしたが、バッテリーがあがっているのを忘れていた。となると、ブライアンの出番だ。ブライアンは”クラシック”なアウディのスペシャリストで、一人でお店をやっている。すぐに平台トレーラーがやってきて、アウディを裏庭から引っ張り出し、連れて行ってくれた。ブライアンも原因は燃料ポンプだと言い、バルブカバー・ガスケットと共に新品を発注した。エンジンのかかりが弱く、クランク・センサーも必要だった。

“クラシック”アウディのスペシャリスト、ブライアン。

今ではアウディはすっかり元通りだ。そして、モハーベ砂漠まで撮影に行った。道具をたくさん積み、ヒーターを点けながらの2時間のドライブになったが、まったく問題なかった(メイン写真)。それでこそ、私の”クラシック”だ。

アルファは、今も裏庭に置いてあるが、やっとエンジンがかかるようになった。そろそろ買い手がつきそうだ。しかし、私が本当に求めているのは、レストアしていないままの、このデロルトを積んだ1750エンジンの1971年のアルファ・スパイダーだ。乗ったことがあるが、走りは素晴らしい。妻になんと言えば納得してもらえるだろうか…

文:Evan Klein まとめ:オクタン日本版編集部

オクタン日本版編集部

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