健やかなるラグジュアリーカー、ベントレーコンチネンタルGTCスピードで癒しの旅へ

Toshiki KOBAYASHI



旅館「佳ら久」で心身ともに「整える」


ドライブですっかりリフレッシュもできた私が訪れた旅館「佳ら久」もその延長にあるようなお宿だった。こちらは2020年にオープンし「麗らかな活力が生まれる場所」をコンセプトに本質に妥協せず突き詰めた最上級の旅館リゾートを目指したそう。「本質に妥協しない」ところがベントレーの車づくりと重なるようではないか。お部屋、温泉、料理を楽しむことがメインだが、強羅という立地が大涌谷、芦ノ湖、宮ノ下へのアクセスも良く箱根には美術館も多い。先に言ってしまうと一泊ではもったいないお宿である。



エントランスでは壁一面に組子細工で描かれた大きな箱根の山がお宿の方々と共に出迎えてくれた。ロビーで一服の旅館こだわりのお茶とお菓子をいただきながらチェックインを済ませ、お部屋に向かうのだが、「地下なので地層のデザインをほどこしました」という土の温かみも伝わるアートな地下通路を通りエレベーターでお部屋のある上階へ。

和モダンなホテルのデザインコンセプトの延長にあるものの、靴を脱ぎお部屋に入るスタイルはやはり日本の旅館スタイル。その瞬間に改めて休息モードに切り替わり、リラックス感がジワジワと増していく。そしてお部屋のなかを探検する前に思わず足が向いた広いテラスからの眺望もこのお宿の特徴だろう。視界を遮るものはなく、箱根の新緑、箱根連山の山並み、そして遠くに相模湾ものぞめる。そしてそんなテラスには露天風呂も備わるのだ。



室内はベッド&リネンはもちろん、パウダールームに置かれたアメニティ(併設するスパと共同開発)や器機類からもこの部屋で過ごす時間へのこだわりが伝わる。さらに新しい宿ということもあり、案内などは紙類の代わりにタブレットが用意され、それで室内の操作も行える。そのせいもあってかお部屋は商業施設感が薄く、このシンプルで温かみのある部屋のプライベート空間の居心地がとても良い。



テラスの露天風呂では相模湾に吹く風までこちらに届きそうな視界を独り占めしながらゆっくりと浸かった。ナトリウムを多く含む塩化物泉の温泉に安らぎ癒やされたのは言うまでもないだろう。初日はお湯の中では何も考えずボーッとホへーっと過ごし、朝風呂では残念ながら帰ってからの仕事のことを考えていた。しかし繰り返される日常のなかで考えるのとは心のコンディションは明らかに違う。

夕食はメインダイニング「六つ喜」で駿河湾と相模湾の魚や旬の食材を活かした会席をいただいた。お箸をつけるのがもったいないほど視覚的にも愉しめるお料理を気兼ねなくゆっくりと味わう時間も至福の時。



今回の滞在では併設されるスパでのトリートメントも特別なメニューのひとつだった。スパは「World Luxury SPA Award」も受賞している「The Day Spa」の系列。こちら以外にも併設する旅館やホテルにあり、各地の風土に合ったコンセプトを取り入れているそうだ。強羅では“大地のエネルギー”に注目し「五行説」を取り入れたトリートメントを行っている。万物は「木・火・土・金・水」という5種のエレメントから成り、それらが日々影響し合い、変化し自然界にもバイオリズムがあるという古代中国の思想をスパに取り入れていた。沢山の質問に答え、カウンセリングを行った結果、その日の私は疲れていたらしい(間違いない)。そこでリラックス効果の高い「水」の香りを含むオイルを使い全身のトリートメントをしていただいた。



繰り返される日常をどこかでリセットする時間はとても大事だ。その方法はそれぞれあると思う。今回は都内から2時間とかからない「ちょっと箱根まで」な移動を、感性を豊かにする一方で気分を「整えて」くれるようなベントレーとドライブ。さらにひとときの居場所をホスピタリティの素敵なお宿に据え、リフレッシュすることができた。ベントレーと過ごす日常/非日常のドライブタイムはときに脇役になり主役にもなるが、ウェルビーイング的「整うクルマ」としては最高レベルのお手本的な存在と言ってもいい。“SPEED”はそんな時間をより豊かなものにしてくれることを改めて教えてくれたような気がしている。




文:飯田裕子 写真:小林俊樹
Words: Yuko IIDA Photography: Toshiki KOBAYASHI

文:飯田裕子

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