ポルシェボクスター&BMW 320iと過ごす春夏秋冬|『Octane』UKスタッフの愛車日記

Octane UK

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は、グレン・ワディントンが1999年ポルシェボクスター、1989年BMW 320iとともに過ごす季節の移ろいや、自身が参加したイベントについて綴る。



先日、とあるSNSを見ていたら、数年前の“思い出”が出てきた。「SORN(一時抹消登録)期間まであと1週間。それを最大限に活用するのがベストだ」と私は投稿していた。これは当時乗っていたBMWについての投稿だった。しかしそれは大きな間違いだった。もうそんなことはしない。

もちろん、融雪剤まみれの道を走ったりはしていない。青空が広がる爽やかな日、しかもしばらく霜が降りずカラリと晴れた日に、暖かいコートとマフラー、ドライビンググローブを身にまとい、新鮮な空気とシートヒーター、そしてよく効く暖房を大いに満喫することほど、最高なことはない。

その暖房が、2016年にSORNのせいでダメになってしまった。冬の間、一次登録抹消していたBMWを久しぶりに運転したところ、送風機が故障していたのだ。他にも、マスターシリンダー、クラッチスレーブシリンダー、ブレーキキャリパー、複数のバッテリーなども犠牲になった。だから、もうそんなことはしない。

それとは逆に、ポルシェボクスターは全天候用の車として購入したため、春によく使い、ブルージュまで往復などにも活躍した。必然的にBMWの運転頻度は低くなったが、ボクスターは季節外れの雨にも耐えてくれた。なんといっても電動ルーフは、少しでも天候が変わりそうなときに、すぐに閉めることができるのがありがたい。

BMWは、ベルギーへのトリップで整備後の慣らし運転ができたが、ポルシェの方は仕事の数回の移動で間に合わせなければなかった。ロマンティックな旅でなかったのが残念だが、新品のフロントディスクブレーキとパッドを確認するには十分だった。ブッシュが故障したため交換したリアのサスペンションアームは、よりスムーズで静かになっていた。

ありがたいことに、7月から8月につれ、状況は徐々に好転していった。グランサム近郊にあるグリムソープ城で開催された『Festival of the Unexceptional(フェスティバル・オブ・ジ・アンエクセプショナル)』に、早朝からボクスターで出かけた。到着して誘導されたのが観客用の駐車場ではなく、神聖な…、いや、“アンエクセプショナル(ありふれた)”な展示車たちに囲まれた芝生エリアだったことには少々驚いた。これが良いことか悪いことか、私にもまだわからない…。

当然ながら「あいつはなんでそれをそこに停めてるんだ」という嘲笑の的になった。しかし、こういったニッチな魅力を持つ車に多く人々の関心を持たせようとする、この人気イベントと主催者ハガティの巧みな手腕と言えよう。ニッチな車といえば、モスクヴィッチ・アレコの実車を見たのは私も初めてだった。

9月上旬にビスター・ヘリテージで開催された『RADwood』は、同じようなマーケットにおける、よりクールな層を狙ったものだ。この日も素晴らしい一日となった。低走行のゴルフGLiカブリオ、見事な青緑のマツダRX-7、アイコニックなマイアミ・ブルーのプジョー205 GTI 1.9らと、BMWが並んだ。後者はジムとレイチェルのものだった。



レイチェルは映画『E. T.』の主人公エリオットの仮装でやってきた。BMXの前カゴにはE. T.が入っているという凝りようだ。

秋が深まり、薄暗くなってきたとはいえ、まずまずの天候に恵まれたある日のこと、私はBMWカー・クラブの地元支部が毎月開催している、シウェル・エアロドロームでの夜の集会に参加して楽しんだ。そして今、輝く太陽のもと、ハンプシャーに向かうところだ。ヴィンテージ・タイヤ社の旧友ベン・フィールドを訪ねるためだ。それについては、近いうちにまた報告しよう。


文:Glen Waddington

Glen Waddington

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