ル・マン クラシックもそっちのけ? ヴェルサイユの大聖堂前に集まる旧車たち

Tomonari SAKURAI

フランスは大都市で暴動騒ぎ。車の放火は2000台以上が放火され公共施設への放火や破壊が激しくその一帯はウクライナの映像かと思えるほど酷い。17歳のアルジェリア系少年を警察官が射殺したことを発端に起きている。そんな騒ぎの真っ最中で7月の第1週のヴァンセンヌ旧車会の定例ミーティングは前日の土曜日に中止の要請を受けた。(主催者側は「暴動は夜間に起こっているので影響はない」と不満を漏らしているが…)

パリを挟んでヴァンセンヌの反対側のヴェルサイユ。今日はこちらの定例ミーティングに行くことにした。ル・マン クラシックの真っ最中で参加車も少なめでは?と出かけていったところが大盛況である。7月に入ってバカンスもいよいよ本番。天候も良いので賑わっている。バイクで出かけたのだが、たかだか10kmほどの距離を走るだけでも寒いのだ。今朝の気温は20度に達していない。からっと晴れた涼しい気持ちの良い日曜日の訪れだ。

大聖堂の前の広場に集う旧車たち。

いまこの現代に撮った写真とは思えない風景が広がる、ヴェルサイユの第一日曜日。

ヴェルサイユのサンルイ大聖堂では日曜のミサが行われ、その前の広場に旧車が集まってくる。周辺のカフェではテーブルを外にまで広げ、テラス席となる。そこでカフェをすすりながら車談義をするという、夏場ならではの風景が繰り広げられる。近くの商店街で買い物を済ませて珍しい車を眺めに来る家族や、日曜の朝のサイクリングの途中でペダルを漕ぐ足を止めてのぞきに来る人。さながら車のショーのように多くのギャラリーに囲まれる。ゆっくりとやってくる参加車もいれば、ランチの準備に早めに引き返す車もいる。顔見知りに挨拶を交わしてすれ違っていく。

カフェのテラス席で遅い朝食。

ジャガーCタイプやアルピーヌA310なども並び、ル・マン クラシックには行かないのか?などと思ったり。参加者の車のウィンドウにはル・マン クラシックのスタッカーを貼っているものも少なくない。旧車の楽しみ方はそれぞれなのだ。

ル・マン クラシックよりコッチに参加中のジャガーCタイプ。

こちらもル・マン クラシックをそっちのけにしたアルピーヌA310。

デロリアンも2台参加していて一台は特異なドアを開け放って停めている。子どもだけではなく、大人たちも一緒にのぞき込んでいる。

デロリアンDMC12。ガルウイングを開け放つ。

のぞき込む表情は子どもも大人も同じ。

車だけでなくこのミーティングにはスクーターやモビレットのクラブも参加している。探してみるとそこには新生ブラフシューペリアが。公道でこれに会うのは初めてだ。2台のオチキスが参加したり、使い込まれたAMILCARもいたりと、見応えのあるミーティングだ。

新生ブラフシューペリアまで登場!ナンバー付きは初めて見た。



1940年のオチキス モンテカルロ。

こちらは戦後のオチキス アンジュ。

大聖堂の前が一番似合った1923年AMILCAR CGS。

先月のヴァンセンヌで見かけた車も参加しており、あっちがダメならコッチのイベントへと、ひとつのイベントが中止になったくらいで旧車好きを止めることはできないのだ。

ヴァンセンヌがダメならヴェルサイユに参加、のマトラM530。

ここに載せきれないユニークな参加車両は画像ギャラリーでご確認を。


写真・文:櫻井朋成 Words and Photography: Tomonari SAKURAI

櫻井朋成

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