ユニークなシトロエンHバンがずらり。キャンピングカー仕様や霊柩車、消防車まで!

Tomonari SAKURAI

その昔、JRDのシトロエンHバンを探し回ったことがある。フランスのおもちゃメーカーであるJRDが出したブリキのミニチュアカーだ。サイズは1/20位で全長で35cmほどある。波打ったHバンの表情がよく出ておりそのプロポーションも実車のイメージをよく捉えていた。何より、ESSOやBPなどペイントの違いでかなりのバージョン違いを展開していた。

そんな思い入れのあるHバンのミーティングが行われた。会場となったのは毎月第一日曜日にパリの東方ヴァンセンヌ城の前に集うヴァンセンヌ旧車クラブの定例ミーティング。そのミーティングと一緒に行われたのだ。会場に着くといつもと違ってシトロエンHバンがずらりと列をなしている。お城の前約140mの敷地に45台が揃うという。JRDの記憶のせいかグレー一色をイメージしていたがそうではない。それぞれ一台一台が個性的な表情で並んでいる。多くが運搬用の車両となっていたことで、その会社のロゴが入れられていた。しかしここに集まったのは、その広い居住スペースを活かしてキャンピングカーとして使われているものが多い。

うっすらと錆に覆われているのがまたいい感じ。

キャンピングカーとなったHバン。後ろから見ると小屋のよう。これが前を走っていたらちょっとびっくり。

こちらもキャンピングカー仕様。

このシトロエンHバンのミーティングは11回目を迎えるとのこと。どれひとつとして同じカラーリングのない個性的なHバン。ナンバーを見てみると、フランスからの参加だけではないようだ。ちなみにヨーロッパのナンバーには登録国籍を表すその国の最初の一文字が入っている。フランスならF。ドイツならDと言った具合に。それらを見てみるとフランス以外からはドイツ、ベルギー、オランダそして遠くはスェーデンから参加しているHバンもいる。フランス国内でもパリ周辺だけでなくボルドーから参加しているものもいる。ボルドーまで早くて6時間。ベルギーの方がよっぽど近いのだ。

オランジーナカラーはドイツから。

その後に牽引されるのもオランジーナ。

レストアされた車両はコマーシャルヴィークルとして現役で走り廻っているものもいる。キャンピングカーとして使われているのは後に自転車屋モペットを積んでいてまたその雰囲気も良い。

蜂退治のHバン。

引っ越し屋さんは現役だ。

2台のモペットを積んでスェーデンからやって来たHバン。

撮影しているとまだまだ、定例ミーティングと混じってHバンがやってくる。その中にはユーリエによってカスタマイズされた消防車と霊柩車もちょうど到着したところだ。

Hバンを商用の特別用車として作り代えていたユーリエによって霊柩車となったHバン。

こちらもユーリエ。消防車仕様。

ただでさえ乗用車より大きいHバン。毎月集まってくるヴァンセンヌ旧車クラブの車達はその迫力にやや押され気味でなんとなくおとなしく見えてしまう。日本では車中泊が人気のようだ。フランス好きの貴兄にはHバンベースのキャンピングカーで車中泊なんていうのも広々としてきっと良いのかもしれない。

40台以上が集まったヴァンセンヌ城前。

これだけHバンが揃うとDSも脇役になるしかない。

ここに載せきれなかった写真は画像ギャラリーからぜひご覧いただきたい。

写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

写真・文:櫻井朋成

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