意外と通好みの車もやってくる!? 市が主催するフランスの旧車イベント「Les Gourn'Anciennes」

Tomonari SAKURAI

17世紀に建てられたお城が市庁舎となるグルネ=シュル=マルヌ。パリの東方ヴァンセンヌからさらに10kmほど西に行ったところで、第一次世界大戦のマルヌ会戦の名で知られるマルヌ川の畔にある。その市庁舎の主催による旧車のミーティングが行われた。およそ120台の旧車がお城の周りに集まるというもので、午後からは電動ボートでマルヌ川遊覧も催され、車好きのみならず街全体のお祭りのひとつとして毎年開催されている。今年で9回目を迎えるという人気のイベントだ。

17世紀のお城が市役所。そのお城の前に旧車が並ぶ。

今回もヴァンセンヌ旧車クラブの誘いでお邪魔させて頂いた。このような市が主催する催し物になると、どうしてもよく見かける、そして誰にもなじみのある2CVやDSなどの車が並ぶことが多い。一般の人からすると懐かしんだりして楽しむことができるが、車好きにとっては少々物足りないというのが多いのだ。それでもヴァンセンヌ旧車クラブの息もかかっているし、何よりこの街の周りには以前にも紹介したシトロエン5HP、イセッタからスーパー7など10台の車を所持してクラブの主査を務めるティエリーさんがいたり、ピー(カササギ)を載せた2CVのブブさんの地元だ。どんな車が集まるか期待半分で出かけたのだ。

市庁舎の入り口の周りにはトラクシオンが並ぶ。

お城の市庁舎をバックに並んだ車達と、それを興味津々で眺める家族づれと言う風景が車のイベントとはまたひと味違う雰囲気。正面に並べられた車達は予想通り多くの人が知る“有名どころ”の車で固められている。これだけだと、octane.jpで紹介するにはちょっと寂しいかな?と思いながら歩き始めると、なにやら木の陰からごそごそと現れた一台。

なにやらごそごそと木の陰から...

雨が止んで木陰から出てきた100年前のルノーNN。



ルノーNNだ。オープントップなのでぱらつきはじめた雨から逃れるように木陰を探していたのだ。幸い、雨はぱらぱらっと降っただけだった。雨模様が落ち着くとごそごそと車からテーブルなどを出し始めランチ、ピクニックの準備の開始だ。旧車とピクニックはよく似合う。

到着してすぐピクニックの準備中のルノーエスタフェット。

フランスはすでにバカンスシーズンに入っている。学校も終わって9月まで夏休み。バカンスに出かけるときのスタイルのルノー4CV。

会場ではモビレットでぐるぐる回り始めるご夫婦に声をかけてお喋りが始まり、ボンネットを開けるとその仕様について話し始めるとまた人が集まったり。挙げ句の果てにはオーナーをさておき、そこに居合わせたマニアの人がまるで自分の車のように解説を始めたり。とにかくフランス人はお喋り好きなので、あちらこちらで「あーでもない、こーでもない」が始まり、それに花を咲かせる。そんなのんびりした雰囲気も街の主催で行われたイベントならではなのかもしれない。

フェラーリ355にも負けないフレンチレッドのムレーナ。

ご夫婦でモビレットで会場を走り回っている。

こちらはオーナーを差し置いて盛り上がる来場者達。

以前お伝えしたフランス都市交通博物館からバスが参加。(一般公開は年3回のみ!フランス都市交通博物館でバスやトラムの歴史に触れる | octane.jp | 美しい車と暮らす

ここでは載せきれない会場のほかの写真は画像ギャラリーにも多数掲載。


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

Tomonari SAKURAI

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