約30年間行方不明になっていた伝説のポルシェ│発見されてからの様々な物語

Porsche AG



「ジンジャーは911を照明の下に置いて、ペトロール・ブルー・メタリックとグランプリ・ホワイトを車に照射しました。マルクトレドヴィッツ・ラリーが開催されたとき、車をチェックするためにパルクフェルメに向かっていると雪が激しく降ってきました。降り続く雪の光跡とグランプリホワイトのボディが完璧に調和して、信じられないほど美しかったことを覚えています」と、ロッシュアイゼンは振り返る。

デイビスは、写真をもとに911 SCを当時のコンディションへと戻すことを決める。30年近く放置されていたポルシェのレストア作業は2010年に完成し、その年開催された国際的なヒストリックモータースポーツショー「レースレトロ(Race Retro)」で公開された。

「スティーブは私に『君のレーシングスーツもパッキングしたから、一緒に特別なコースを走ろう』といってくれたのです。心に残る瞬間でした。自分の車と二度と会えないと思っていましたから」とロッシュアイゼンはいう。

ドイツに戻ると、ロッシュアイゼンはレストアショップのオーナーである友人のラファエル・デュエスを訪ねた。そこで彼は白い911Gモデルと出会う。彼はデュエスにこのクルマをどうする予定なのか聞いてみると、「特に何もないね。この2年間はずっとリフトの上に置かれっぱなしだよ」と答えたそうだ。

911Gモデルを発見したディーター・ロッシュアイゼンは、2台目のハイゴ-ポルシェを作ろうと思いついたのだ。



ロッシュアイゼンと友人のデュエスに、以前のスポンサーであったハイゴ・オートテクニックのマネージングディレクターであるヘルムート・ヘイルマンが加わり、プロジェクトを立ち上げた。彼らの目標は既存のラリーカーよりも、さらに美しく素晴らしく仕上げることだった。

それから1年半後、プロジェクト"ハイゴ–ポルシェ II"が完成した。そして、セットアップテストの担当ドライバーとして白羽の矢が立ったのが、彼らの旧友ヴァルター・ロールだったのだ。ロッシュアイゼンはレストアしたハイゴ-ポルシェのミニチュアカーを友人に配っていたのだが、そのミニカーを偶然手に入れた男がいた。

オクタン日本版編集部

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