約30年間行方不明になっていた伝説のポルシェ│発見されてからの様々な物語

Porsche AG



「2005年、ディーターがこのミニカーをプレゼントしてくれたのですが、このポルシェが欲しいと、すぐに思ったのです。すごくかっこよかったです」と、語るのはクラウス-ヨルゲン・オースだ。彼はフランクフルトで通信会社を経営しており、ビジネスパートナーのウド・ミュラーと共同でハイゴ・ポルシェを製作する夢を実現することにしたのであった。

プレゼントしてもらってから8年後、2013年に彼らはデュエスにハイゴ–ポルシェ 911 SC RS Evo IIIをオーダーした。これもまた、ロッシュアイゼンとヴァルター・ロールによってセットアップされている。このEvo IIIには最高出力340psを発揮する3.4リッター 水平対向6気筒エンジンを搭載している。1979年のオリジナルモデルより62psパワーアップしている。「ダックテール型のエンジンカバーとターボエクステンションは、FIAグループ4公認パーツが取り付けられています」



かつてヨーロッパ・ラリー選手権やWRCで駆け抜けていたハイゴ-ポルシェは、現在もヒストリックラリーイベントで大活躍している。

セットアップを行ったヴァルター・ロールは、「ラファエル、ディーター、そして私は、いろいろな足回りを試しながら少しずつ開発作業を進めました」と話す。彼はヨーロッパ最大級のヒストリックラリーイベントを併催するエイフェル・ラリーでハイゴ-ポルシェのレプリカをドライブしている。

「エイフェルでは、最新のラリーカーとの比較ができました。Evo IIIは余計な装飾もなく、正しい方向に進んでいることを確信しました。このクルマに座れば、誰もが自分はなんでもできると感じるでしょう。完璧なドライブを披露できるか、できないかだけです」。ウド・ミュラーは「この911をドライブすると、自分とクルマが一体になるんです」と話す。

ハイゴ・ポルシェを生み出す最初のアイデアから40年が経ち、ロッシュアイゼンの夢は再びフィールドに舞い戻ったのであった。

オクタン日本版編集部

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