ピカピカのクラシックカーをあえて汚くする!?│デストレーションを探る

Photography:Mark Dixon



こう見ていくと最低限といっても高額になりそうだが、これらはすべてケヴィンのところでは標準的なDB2/4の費用に含まれており、ドンは満足げにケヴィンのもとを後にした。使われなかったDB2/4ならではのパーツを多数積み込んで。

「時間のあるときに自分で修理を楽しみたいんだ。キャリーといういい友達がいて、彼は寄せ集めの部品で1個の製品を作る名人。彼の仕事ぶりは"デストレーション"という言葉がぴったりでね。彼からはずいぶん刺激を受けているよ」

そういえば車にはどこで付けたのかわからないものが満載されている。GBのタッグはもともと付いていたというが、AMOC(アストンマーティン・オーナーズ・クラブ)のバッジはドンのDB4から持ってきたもの。以下のものはキャリーの手助けを受けながら付け加えたものだ。ジャガーの"Mk2"のバッジ、デイヴィッド・ブラウンのトラクターのバッジ、フランス・ツーリングクラブのバッジ、各種ステッカー、レイヨット製のドアミラーとランプ、ルーカスの火炎放射器のような格好のルーフスポットランプなどなど。ケヴィンが見たら苦笑すること間違いなしだろう。



そのケヴィンも一部は承知していたようだ。「私はドンに屋根の上のスポットライトはタトゥーのように一度付けたら取れないからねと念を押したんだ。そのライトは彼が付けると決める1年も前からそこにくっついていたんだけどね」

室内にも奇抜な考えが貫かれているであろうことは予想がついた。ハルダのスピードマスターはまあいいだろう。ナンバー31という商品は初期の製品でとてもめずらしい。しかし高度計はどういうときに使うのだろう?「脱出」「パニック」の文字が書かれたふたつのボタンは理解できた。ドンの007好きが嵩じたものである。

編集翻訳:尾澤英彦 Transcreation:Hidehiko OZAWA Words:David Lillywhite 

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