氷の上でポルシェ911の限界を試す!│他では味わえない究極のドライビング体験

Photography: Malcolm Griffiths



雰囲気のあるログハウスで昼食を取ったあとは、長い氷上サーキットに挑戦する。アクセルオンの状態で、こんなに長く、信じられないような角度で911をスライドさせられる、その楽しさ! 

基本を習得したところで、サポート
チームがより大きなスタッドを打ち込んだタイヤに交換してくれた。すると、その差は歴然。グリップが50%ほど向上し、それと共にコントロールできる範囲もスピードも増す。こうなると、滑る楽しさに緊張感が加わってくる。なにしろ、ステアリングストップの状態で140km/hでコーナーに突っ込むのだ。あらん限りの集中力が求められる。

リチャードは、個人的なプロジェクトとして取り組んでいる1台を持ってきてくれていた。それは初期の912なので、ホイールベースが短く、軽いマシンだ。だが、911の6気筒2.2リッターエンジンを搭載し、出力は約140bhpという小型ウエポンである。最後の締めに、これに乗ってリチャードのドライビングを見せてもらうことになった。

この車は過度にパワフルではないが、一瞬も気を抜けないやる気を見せる。しかもタイヤは、さらに大きなスタッドをつけた細いものだ。リチャードの全力の走りはまさに圧巻だった。すべてのコーナーへフルスロットルで飛び込み、フロントフェンダーを正確にクリップポイントにつけ、あり得ないスピードで踊るようにサーキットを駆け抜けていく。もちろんすべて横ざまに滑りながら。



「ここは、911を限界まで追い込むのに完璧な環境だよ。ここで学んだことの大半は、レースに応用できるし、一般道での安全な運転にもつながる」とリチャード。

クラシック911をここまでスライドさせ、かつコントロールすることなど、自分にできるとは到底思っていなかった。だが、2日間にわたって指導を受けるうちに、自信もスキルも大きく向上し、いつの間にか、タコメーターが6000rpmを指すなか、140km/hでドリフトできるまでになっているのだ。崖っぷちぎりぎりでのドライビングを楽しみたいなら、これ以上の場所は見つからない。

編集翻訳:堀江 史朗 Transcreation: Shiro HORIE  原文翻訳:木下 恵 Translation: Megumi KINOSHITA Words: Robert Coucher

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