1977年製のこの1台は、新型A110が開発途中のなか、スペインで発見されたものだ。"サウンドはしっかりとしていたから、とりあえずペイントを施しました"とコレクターのスティーブ・ガルトが述べる。ラリースタイルのタイヤはノーマルのものに交換されている。
A110はとてもコンパクトな車である。コックピットは低く、狭い。左の肩がドアに当たるし、脚のスペースも窮屈だ。いかにも、ラリーカーらしい。小ぶりで控えめな車であるが、ロータス・エランよりもタフなボディを持っている。2つの小さなリアタイヤの上にあるキャビンは、手荷物を入れていっぱいだ。ボンネットは、スペアタイヤと燃料タンクでぎゅうぎゅうになっている。ルーフピラーはスリムでガラスが多く使われているため、閉所感は緩和されている。
新型と旧型でトンネルを過ぎ、2つを並べてみると旧型がとても小さく見える。ガラスの効果もあり、繊細で美しいカーブを描いているのだ。フラットなトップ、綺麗にはね上がったリアアーチにもデザインの未来を感じる。
確かにオリジナルA110は極めて完成度の高い車であるが、新型にその要素を入れすぎていないということはルノーの賢さであろう。新型A110は旧型とは全く異なる車と考えたほうが賢明だ。新型が劣っているわけではなく、こちらはより速く、非常にバランスの取れた車である。軽量化が徹底的に行われ、車重は1100kgという驚異的な数字。スポーツ・モードにすればステアリングは重くなり、スロットルと変速のレスポンスは鋭くなる。ステアリングの感覚も抜群だ。
Words: Matt Howell
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