呼ばれた先にあったものは1965年生まれの車と... ?│ジュリアとハリウッドを訪ねて

現代では、サプライズがテキストで届いたりもする。"2:15にこのアドレスで会おう。誰にも言わないでね" そのメッセージを送ってきたのはヴィヴァンの新しいオーナーであるフィリップ・サロフィムだ。1965年にポンティアックのエンジニアであるハーブ・アダムスによって手掛けられたこのヴィヴァンは、2018年のぺブル・ビーチ・コンクールデレガンス’1960年代のドリームカー’部門を獲得した1台だ。

彼に会いに行くため、私はアルファ・ロメオ・ジュリア・スーパーを駆りマルホランドへと向かった。スーパーは良い走りを見せる。指定された場所では、ピエール・コーニッグが建てた家が売りに出ていた。フィリップは不動産屋と購入について話していたのだ。ヴィヴァンが見えた。駐車場に美しく佇んでいる。



そこで気付いたのは、そこにいた不動産屋はフェラーリで来ていたということ。ここはハリウッドなのだと実感させられた。彼はジュリアを褒めて、私はフェラーリを褒めた。

彼らが話しているうちにカメラを取り、撮影をはじめた。とはいっても写真を撮ることは伝えていなかったために、家の周りで車を動かしたりライトを使ったりすることはできなかった。もう一人いた不動産屋に"撮影はできないこと分かっていますよね?"と言われてしまったのだ。"知っていますよ。撮っていません"と言いつつ、家から出て可能な限りのアングルで撮影を行った。

ヴィヴァンは1965年製だが、この家は1958年製。ロスアンゼルスの建築と自動車の素晴らしいコンビだ。ここを出る時間になり、フィリップがヴィヴァンを大きな音と共に発進させる。カメラをジュリアに置き、その後を追った。ヴィヴァンが出すガスくささと、音と風を受けながら走った。

ともかく、ジュリア・スーパーを運転していると、過去とつながっているような気がするのだ。先月、アメリカで歴史のあるトラックを走った時には過去の中に生きているような感覚を覚えた。



私がガスくさくて誰が気にするのか?私たちは"カーガイズ"だ。ガスくさくてなんぼであろう。

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