フェラーリ250GTOと同じ価値が付くマセラティ?│密かに潜む怪物

マセラティMC12は様々なレースで勝利を収め、兄弟車であるフェラーリ・エンツォに勝らずとも劣らない存在として記憶されている。オクタン編集部では、MC12はフェラーリ250GTOほどの価値がいずれ見出されるのではないか、と推測している・・・



マセラティMC12はFIA GT選手権用車両として、フェラーリ・エンツォの主要コンポーネンツを用いてマセラティが開発したレースマシンだ。MC12は参戦したFIA GT選手権では19勝、14タイトルという輝かしい成績を収めている。

ラインナップは公道仕様の「ストラダーレ」、レース仕様の「コンペティツィオーネ、そして公道仕様とレース仕様のハイブリッドモデル「バージョン・コルサ」、全74台が生産された。ストラダーレは2004年に25台が生産され、2005年にも25台が生産された。2台を除く全車、マセラティブルーとホワイトのCamoradi(かつてマセラティのレースで名を馳せた)のチームカラーを纏っている。コンペティツィオーネは11台が生産されたが、5号車がレースで大破し“入れ替え”で実際には12台が作られた。




そして、MC12最速だったバージョン・コルサは13台が生産された。レース参戦のホモロゲーションも取得していなければ、公道走行も当然できないはずだが、ドイツでは一台だけ公道仕様として登録されている、と聞く。

現在、フェラーリ250GTOはクラシックカー・オークションで最も価値のあるクルマ、としてその座を不動のものにしている。生産台数は36台と少ないし、華々しいレースでの戦績を有しながら公道走行が可能で、最もアイコニックなメーカーが手がけた車両であった、という複合的理由が挙げられるだろう。



意図的だったか否かは定かではないが、実はMC12にも250GTO同様の要素が詰まっている。ただ、MC12はまだまだ“クラシックカー”と呼ぶには新しすぎるし、現行モデルではないのでパーツ供給にはいささか苦労を強いられる。中途半端な年式ゆえに、一時的な投げ売りがあるかもしれないが、250GTOの現代版のような魅力に気づくエンスージアストが出てくるだろう。

今後、クラシックカー・オークション市場での動向から目が離せない。



2005年 マセラティ MC12 ストラダーレ
エンジン型式:6.0リッター V12 DOHC エンジン
最高出力:632PS/7500rpm
最大トルク:481 lb ft/5500rpm
0-100km/ 3.8秒
変速機:6段 セミAT
駆動方式:MR

車重:1335kg

編集翻訳:古賀貴司(自動車王国) Transcreation: Takashi KOGA (carkingdom) Words: Massimo Delbò Photography :Max Serra

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