アルピーヌのスピリットが生き続ける限り│新旧A110でフランスを訪ねて

Photography: Matt Howell



アルピーヌの本拠地であるディエッペに戻り、ランチタイムを取った。ジャン・ピエレ・リモディンに会う予定であったのだ。彼は所有しているA110 1600SXで登場した。メタリックグリーンの珍しいボディに、スタンダードのスペックを持っている。カラーも含め、彼の車はオリジナルだそうだ。彼がアルピーヌのエンジニアであった時に購入し、製造ラインから直接運転して外に出たそうだ。2年後には、コンペに出たいという友人に売却したそうだが、結局また手元へ戻した。"最初に買ったときより高いお金を払ったよ"と語る。この車はアルファ・ロメオ ジュリアGTのテールライトを装備している。というのも、製造終了に前にすべてパーツがなくなってしまったのだそうだ。



ジャン・ピエレは1963年 12月にアルピーヌに入り、2年間プロダクション部門で働いた。アルピーヌが好きで、24歳の時に直接ドアをノックしに行ったのだとか。最初の仕事は海外へアルピーヌを売り込むことであった。アルピーヌ創業者であるジャン・レデレはメキシコのマーケットを狙っていて、6ヶ月間彼をメキシコへ派遣した。そして、結婚して帰ってきたそうだ。1968年、まだアルピーヌはとても小さな会社だった頃、ジャン・レデレがルノーとの契約にサインをした。その内容はすべてのルノーディーラーにアルピーヌを置くことを承諾するものであった。うまくいったところもあれば、うまくいかないところもあった。その頃、工場はしっかり整っているものではなかったため、1969年に新しく工場を設立したのであった。



ピエレにレデレとの様々な物語を聞き、また2台のブルーA110でのツーリングへ戻った。アルピーヌのロゴを見てみると、ルノーの要素は感じられない。工場の壁には、’Alpine is back!’と書かれている。この工場があり、アルピーヌのスピリットが存在する限り、アルピーヌがどこかへ消えてしまうことはないだろう。

Words: Matt Howell

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