BMW Z4のエンジン始動が不安定。その原因は?|『Octane』UKスタッフの愛車日記

Octane UK

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は2004年BMW Z4 3.0i SEの違和感に悩むロバートがお届けする。自分でできることは自分でやるというロバートが、不調の原因を探る。



直列6気筒エンジンを始動させるその一瞬は、喜びの瞬間である。…はずだが、現時点ではこんな感じだ。エンジンを始動させるとタコメーターの針が飛び跳ね、その不安定さに思わず顔をしかめる。ブレーキを踏んでみるともっとひどくなる。約90秒後、暖機が完了し、その後は何も問題がなかったかのように落ち着く。

真空状態に問題があると考えたが、具体的にどこに問題があるのか突き止めるのは難しい。目に見えるすべてのホースを点検し、DISAバルブ(=Differenzierte Sauganlage、吸気システム内の空気を制御する)を取り外して真空状態が保持できているかをチェックした。するとその過程で、エンジンへの空気量を制御するためにアップグレードされた金属製フラップの取り付けが、間違っていることを発見した。完全に開いた位置に取り付けられていないのだ。それを正しい取り付け方に修正し、元の型にはまったものを取り外して新しいOリングを取り付けたところ、私が期待していた修正ではないものの、中回転域の回転が良くなったようだ。アイドルコントロールバルブも取り外して掃除したが、まだ問題なく動いており、比較的きれいだった。





次にチェックしたのは、エンジンが冷えている時に作動し、始動時の排出ガスに含まれる有害物質対策のために新鮮な空気を供給するセカンダリーエアポンプだ。一方向バルブも故障する可能性があると考え探してみたが見つからない。結局、前のオーナーによって取り外されていることが分かった。とはいえこれはよくある改造であり、心配なことはひとつ減ったが、既存の問題が解決したわけだはない。



エンジンルーム内のホースをさらにたどっていくと、フィルターハウジングからオイルが漏れているのを見つけた。このくらいの年式になると、ガスケットが硬化して故障するのは予想されることだが、通常は漏れる前に予防措置として交換しているはずだ。



手間のかかる作業だが、BMW純正ガスケットは安いし、eBayの20%割引を利用して、新しいフロントバッジも買った。私のはマイクロファイバークロスに引っかかって一部分が剥がれてしまったのだが、Z4のバッジは72mmと他のBMWにはない独特の大きさなのだ。そのため、普通のバッジに比べると値段が張るためこのタイミングで購入した。





フィルターハウジングガスケットを自分で交換したかったのは、ほんの少し前にウォーターポンプの交換費用を払ったばかりだったからだ。同じような作業だから自分でやってしまおうと思った次第だ。

別に私がなんでも自分でできるかというとそれは大きな誤解だ。YouTubeのビデオを見て少し自信がついたにすぎない。うまくいかないことだってある。ビデオでは機械式テンショナーでサーペンタインベルトを外す方法が紹介されていたのだが、私のは油圧式にアップグレードされていた。そのためテンショナーにはもっと大きなトルクスビットが必要で、私は結局動かすことができず、すべて元に戻さなければならなかった。

ただすべてが無駄だったわけではない。バッジを所定の位置に固定する2本のネジを取り外すことはなんとか成功した。1週間後、正しいサイズのトルクスビットを手に入れ、不屈の闘志を燃やした結果、作業は非常にスムーズに進んだ。

友人たちと会うためにサマセットまでドライブしたところ、ガスケットがうまく機能していることが証明された。Z4が高速道路をこんなに気持ちよく走るとは思ってもみなかったので驚きだ。



所有して1年が経ち、MOT(イギリスの車検)の時期もやってきた。何の問題もなく通過したが、車が入庫している間に、テンプルトンズ・ガレージのスチュアート・テンプルトンが空気漏れを探すために煙試験を行ってくれた。彼は完全に煙漏れの箇所を特定することはできなかったが、マニフォールドのどこかから煙が漏れているのを見つけてくれた。YouTubeを見るだけでは解決できなかったら、彼にまた頼むことにしよう。


文:Robert Hefferon

Robert Hefferon

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