アウディA2の次に選んだ車は?|『Octane』UKスタッフの愛車日記

Octane UK

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回はマシュー・ヘイワードが、2台のアウディA2についてレポートする。



アウディA2を2台も自分の作業場に置くなんて、思ってもみなかった。世の中は本当に不思議なものだ。A2は、いつも好奇心を掻き立てられる車だ。小さくて軽く、アルミニウム製のスペースフォーム構造を中心に、巧妙にデザインされている。その独創的なパッケージングとランニングコストの安さは大いに評価していた。しかし、自分専用には特段欲しくはならなかった。

しかし2019年に冬季用のお手頃な車が必要になったとき、私にとって初となる1.4リッターでガソリン仕様のA2がやってきたのだ。それは、ちょっとした修理を面倒に思った兄が譲ってくれたものだった。兄は、代わりにもっと良い1.6 FSIを既に購入済みだった。これは15万キロも走っていて傷だらけだったが、下回りはアルミニウム製のため、腐食している様子はなかった。ただし、全てが”消耗品”ともいえるスチール製のサスペンションパーツ群は別だったが…

そうこうしているうちに、使えば使うほど、そして手をかければかけるほど、愛着が湧いてきた。サスペンションを交換した後、決して速くはないものの、1000kgを下回る車重はやはり軽快そのものだった。リアシートを取り外すと、荷物車としても使えて便利になった。我が家の引っ越しのときには、数え切れないほどの車の部品や雑誌のコレクションを運んでくれた。

悲しいことに、去年の暮れのある晩遅く、私はアナグマにぶつかってしまった。衝突した箇所を徹底的に点検したところ、想像よりもはるかに大きなダメージがあり、修復にはかなりの作業が必要だということが判明した。現実的に考えると、それはA2とのお別れのタイミングだった。

しかし、代わりになる車があるのだろうか?

もちろん、代わりもA2しかない!数年前に起亜EV6の発表会に出席し、PR担当のジョナサン・マスクと話したときに、もう1台のA2の存在を知った。彼もたまたまA2を所有していて、私と同じように熱狂的なファンだったのだ。ただ、彼のA2はコロナの最初のロックダウンが始まった頃から動かしていなかった。しかも彼は、新しい起亜の社用車を使っていたため、A2は不要になっていた。そのA2を最大限に利用するには、部品取りの車にしてまずは必要なスペアパーツを取ってしまうのが良いのではないか、といった話でそのときは盛り上がった。

しかし、よくあることだがタイミングがうまく合わず、疎遠になってしまった。今回、自分のA2をどうしようかと悩んだ私はジョナサンのA2を思い出し、彼にまだA2を所有しているかとメッセージを送ってみた。果たして、彼はまだ持っていた。そして、同僚のマーク・ディクソンが気を利かせ、彼のボルボXC70とトレーラーでA2を引き取ってきてくれた。



それから数日かけて、古い車から新しい車に無傷なパーツを移植した。電気整備の達人である弟が古い装備の大量の配線をたぐって外してくれた。さらに、ブルートゥースとUSBのモジュールも装着してもらった。これで、純正のステレオのままで私の携帯電話から音楽をストリーミング再生できるようなった。このA2は、以前のもの(2001年式)より年式が少しだけ新しく(2002年式)、かつハイスペックだ。エアコン、フロントフォグランプ、レザートリム付きステアリングホイールなど、喜ばしい限りだ。

メカニカルな面では、フロントには新品のストラットトップマウントとスプリングを取り付けた。リアには、前の車に最近取り付けていたスプリングとダンパーを流用した。それでも、新しい潤滑油やフィルター、タイミングベルトなど、総合的に整備をする必要はある。でも、本当にいい感じになってきた。

マシューの "新しい“A2は、これまでのA2とそっくりだ。

古い方をスクラップにしてしまうのは、まだ気が引ける。それでも、別の車を救出したわけで、いくぶん良心が和らいだ。


文:Matthew Hayward

Matthew Hayward

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事