ヨーロッパ遺産の日その1: パリでの車・バイク展示イベント

Tomonari SAKURAI

9月16~17日はヨーロッパ遺産の日。この日はあちこちで通常は非公開の施設が公開されたりする。フランスの旧車を統括するFFVEが事前に公開している車に関するイベント情報によると、パリでは3カ所で車が展示されるイベントがあるというので訪れてみた。

最初は13区で行われたベスパのミーティングへ。主催はベスパを中心としたスクーター屋さんとベスパクラブ イル・ド・フランスだ。イル・ド・フランスとはパリを含んだ地域で、日本で例えると関東地方。参加車両はフランスのあちこちから集まっており、それがわかるようにバナーが用意されていた。参加車両は新旧入り混じっている。

道行く人も興味津々だ。

これはパリの参加車。

フランス南東部、イタリアに近いグルノーブルからの参加。

フランスでベスパは一般的な足に使われていた。ちなみに現在もスクーターはパリの足として人気が高い。渋滞や駐車スペースの問題があり、スクーターは非常に便利だからだ。フランスでは車と車の間をすり抜けするのは合法とされている。どこかの国とは違って、たとえ1車線の道路だろうと、バイクが来れば車のドライバーは端に寄って道を譲ってくれる。普通運転免許を持っていれば、2輪なら125ccまで乗れるし3輪のスクーターなら400ccまで乗ることもできるのだ。

ただいま到着。女性オーナーも参加。

ベスパはパリによく似合う。

僕のイメージでベスパ好きにはミラーを無数に取り付けたモッズのファッションとして乗っている人も多い感じがあるが、ここではそれがみられない。逆にちょっと前まで普通に走っていた古いベスパが多い。いわゆるオールドタイマーといった感じで昔を懐かしんで乗っている人が多いのだろう。

パリ横断などのイベントに参加したステッカーが貼られたベスパ150。

前後で分割されたシートがベスパらしい。

現行モデルのGTSスーパーテック300。

80年代のPX125も使い込まれていい感じになっている。

そんなベスパのミーティングを後にし、次に出かけたのは国立古文書館。ここでは中世からの書類や手紙についてわかりやすくワークショップなどを開いていた。歴史において車は欠かせないということから、ルノーが1台展示されていた。

国立古文書館に展示された1921年製ルノーGS。

もう1件のイベントが開催されていたのはフランス首相公邸マティニョン。首相に関わった歴代の車が展示されたが、招待者のみが入場できるイベントだったため、取材が叶わなかった。場所が場所だけに警備が厳重で、周辺道路でさえ入場を制限。憲兵隊による警備が行われていた。

パリでの車の展示はその3カ所。この週末は“ノーカーデー”でパリへの車の進入をも制限されるなど、車にとっては少々さみしい一日だった。しかし日曜日にパリ周辺に出かけてみると、そこはパリとは違った盛り上がりがあったのだ!次回の記事でレポートするので、お楽しみに。


写真・文:櫻井朋成 Photograhpy and Words: Tomonari SAKURAI

櫻井朋成

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事