ベルエポックの時代にタイムスリップ!フランス・ノルマンディの夏を締めくくるイベント

Tomonari SAKURAI

夏の終わりを締めくくるイベント、ダウントン・シュ・メール。ノルマンディのトローヴィルにベルエポックの時代が蘇る一日だ。トローヴィルは19世紀にパリからの鉄道が敷かれた最初の街。そのためパリに住むブルジョアが避暑地として訪れた。その地で毎年9月の第一週末に服装を中心に歴史とアートを再現するLa Compagnie de l'Histoire et des Artsが独自に開催するイベントだ。今年のテーマは「スコティッシュのタータン」だ。

チェック柄は言わば家紋。そのデザインは皆違う。ブルーのタータンを選んだお二人。左はこのグループの主査を務めるファニーさん。

仲良し三人組。

場所はヴィラ・ストラスブルガー。この邸宅は1907年に着工してロスチャイルドが建てた邸宅だが、ノルマンディにいながら海が見えないと奥方が不満を漏らしてすぐに売却。アメリカの富豪ストラスブルガーが購入したことからその名前で呼ばれるようになった。現在は息子の代となってトローヴィルに寄贈され、市が管理しており、ホテルや今回のようなイベントとしても利用できると場所になっている。外観はもちろん、内装も当時のままを残している。

お茶の後は庭でゲームが始まる。丸太を投げるハイランドゲームの始まり。丸太はもちろん偽物。

ここで当時のゲームや食事、ダンスなどが繰り広げられた。今回はスコットランドをテーマにしているため、ウィスキーの利酒もあったりした。参加している面々は真面目そのもので、午後から始まった日中のドレスに、晩餐のためのドレス、翌日は海水浴用、そしてお茶の時間用と、服装は基本的には4着分を用意している。そのため、家族で参加していると車は服だけで一杯だ。

夜の晩餐会のために皆服を着替える。ダンスが始まった。

ベルエポックの時代に建てられたストラスブルガー邸はこの日、その主の時代に戻ったのだ。

翌日はビーチで当時の遊びを再現し、満喫する。今年の夏は、8月は気温が上がらず最高気温が20℃ちょっとの日が続き、9月に入って30℃を超える日が再びやってきた。最後の夏を満喫しようと昨年よりも多くの一般の人たちで賑わっていた。

寒かった今年の夏。最後に暑さが戻ってきたところで海水浴を満喫する。

当時からの家もまだ建ち並ぶ街の浜辺で撮る写真は、まるでその時代の写真のようになる。

日本に比べて長いバカンスがようやくこれで明ける。翌日から仕事が始まるから、子供の学校が始まるからなどで日曜の午後は慌ただしく解散していく。フランスは9月から新学期。この日で夏のバカンスは終わり新年度の始まりなのだ。夢のような世界から現実世界に帰って行くのだった。

この時代のビーチに日傘は必須アイテム。マダム達が傘でポーズをとる。


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

櫻井朋成

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