エリザベス女王の元愛車|3.0リッター V6エンジンを積んだジャガーXタイプエステート

Historics Auctioneers

ジャガーXタイプは、2001年から2009年まで製造・販売されたフロントエンジン、全輪/前輪駆動のコンパクトエグゼクティブカーである。ジャガー初のステーションワゴンであるエステートを量産したほか、Xタイプは最終的に初のディーゼルエンジン、4気筒エンジン、前輪駆動構成を導入することになる。

Xタイプは、ジャガーがプレミア・オートモーティブ・グループ(PAG)の一部門としてフォードに所有されていた期間(1999-2009年)に開発され、ジャガーがコンパクト・エグゼクティブ・セグメントに参入したことを示すモデルであった。

Xタイプエステートは、イアン・カラムがデザインした最初のジャガーだ。サルーンとは異なり、ウィンドスクリーンの後方に420の金型部品と58のプレス部品が追加され、サルーンよりも約70kg重くなっていた。



今回紹介するジャガーXタイプエステートは、王室の歴史に残る一台だ。エクステリアのカラーはエメラルド・ファイア、内装はバーレイ・レザー・インテリアで、最初のオーナーはなんと故エリザベス女王2世であった。

女王陛下がオーナーだったことは、オリジナルのブックレットによって確認することができ、また女王陛下がハンドルを握られている写真も実際に残っている。サンルーフ、オートマチックトランスミッション、電動ウィンドウ、クライメートコントロール、ジャガー・ヘリテージ・トラスト証明書が付属し、メンテナンスも行き届いている。



ロイヤルファミリーに、ベントレーのステートリムジンを愛用してきた長い歴史があるのは確かだが、ジャガーも同じくらい愛していたのだ。故エリザベス女王2世は、その長い治世の間、何台もの車のハンドルを握ってきたが、彼女のお気に入りはランドローバー・ディフェンダーだったようだ。しかし時にはディフェンダーに乗ることができないこともあり、そんな時に使われていたのがこのジャガーXタイプ・エステートなのだ。

インターネット上で公開されている写真では、エリザベス女王2世がサングラスをかけ、ヘッドスカーフや帽子をかぶって、まさにこの車を運転している姿が見られる。ウィンザー城を後にし、ジャガーのハンドルを握ってロングウォークを走る女王陛下は、幸せそうに見える。



 2004年から2009年まで生産されたXタイプ・エステートは、ブランドがこれまでに製造したモデルの中で、最も魅力的なモデルのひとつとは言えなかったかもしれないはないが、それゆえにこれがエリザベス女王2世の愛車の一台になるとは、誰も想像していなかっただろう。

Xタイプエステートの排気量は2種類から選ぶことができ、2.0Lと2.5Lのエンジンが用意されていた。しかしエリザベス2世のために特別なオプションが用意され、この車は3.0リッターV6エンジンとなっていた。



このジャガーは、最終的に女王の元からチャリティで売却され、300,000ポンド(約5,000万円)もの義援金が集まった。そして現オーナーは、この車両をイギリスのHistorics Auctioneersが7月22日に開催されるオークションに出品する。売り上げの一部を病気の子供たちのためのグレート・オーマンド・ストリート病院に寄付するそうだ。

この車は本格的なコレクターやロイヤルファミリーマニアにとって、確実に垂涎の一台であり、唯一無二の車だろう。

オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事