007も乗ったアストンマーティンDB5、生産再開!? ボンドカーのガジェットも忠実に再現

Octane Japan



“ボンドカー”に装備されているガジェットを忠実に再現


リア・スモーク発生装置、リア・オイル散布装置(模擬:水)、フロント&リアの回転式トリプル・ナンバープレート、フロント・ツインマシンガン(模擬:音アリ)、防弾リアシールド(ケブラー製)、フロント&リアの伸縮式バンパー、タイヤ・スラッシャー(模擬)、脱着式助手席ルーフパネル(オプション)、レーダー追跡装置(模擬:イギリスではGPSとして)、運転席ドアに設置された電話(ブルートゥース接続可能)、シフトレバーの脱出用ボタン、アームレストとセンターコンソールに設置された各種スイッチ類、シート下の武器格納トレイ、様々な秘密兵器を作動させるためのリモコンなどが実に忠実に再現されている。











すべての部品の復刻は大変だったが、特に苦労したのは意外にもハードウェアではなかったというから驚く。

「メッキが施されたメタルバンパーには苦労しました。ナンバープレート上部はフラットな面に仕上げられているのですが、メッキを施すと歪みが生じたんです。目で見える部分、手が触れる部分、そして乗ったフィーリングにこだわることはアストンマーティン車すべてに共通することなので頑張りました」

メタルバンパーは実に5本以上の試作品が作られたそうだ。



1台の製作に5000時間以上が費やされるDB5ゴールドフィンガー・コンティニュエ―ション。単に映画に登場するヒーローカーのコピーではなく、しっかりDB5の性能も復刻させている。今回はDB5の007仕様が限定販売されたが、アストンマーティン・ワークスでは新車のDB5を作り上げることも可能、ということでもある。全てのパーツが復刻されているので、DB5オーナーには朗報だ。金額については“それなり”だろうが、費用に見合うだけの品質のものが手に入るのは間違いない。

なお、2016年に筆者がアストンマーティン・ワークスを取材した際、どんな状態のアストンマーティン車でも車両さえ用意できれば、50万ポンドでフルレストアが可能だと聞いていた。そのことについて再度、確認してみると「コンティニュエ―ション・プログラムで得たノウハウや復刻部品のおかげで、今は40万ポンドで対応できます」と頼もしい回答を得た。

最後に昨今、EV化への流れが加速しているが、アストンマーティン・ワークスではどうなのか尋ねてみた。

「DB6マークIIヴォランテをEVにしたい、というお客様からの要望に応えて試作はしました。ただEVの進化(性能や航続距離など)はスピードが速いので、もう少し落ち着いてから商品化を考えることになると思います」とスピアーズ社長。急いでEV化に手を出すのではなく本気で50年後、100年後も保有されることを考えている。補修しながら長く乗り続けられる体制を築いているアストンマーティン・ワークス。これこそが、彼らが本当に誇るべきブランドバリューなのかもしれない。


文:古賀貴司(自動車王国) Words: Takashi KOGA (carkingdom)

文:古賀貴司(自動車王国)

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