007 シリーズ ボンドカーにまつわる10のトリビア

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ジェームズ・ボンドがステアリングを握った車といえば、アストンマーティンやロータスが思い浮かぶだろうが、ほかにも様々な車が活躍している。007が常に敵の一歩先を行くことができたのは、ボンドカーがあったからこそだ。ここではボンドカーにまつわる10のトリビアをご紹介。

1
イアン・フレミングの原作では、007の最初の愛車はベントレーである。アマースト・ヴィリヤーズの手になるスーパーチャージャーを搭載した最後期型のブロアー・ベントレー4.5リッターで、「1933年にほぼ新車の状態で購入し、戦中は慎重に保管していた」と書かれている。しかし、映画では『ロシアより愛をこめて』にしかベントレーは登場しない。

2
『007/ 死ぬのは奴らだ』では、ロンドンで現役を終えたばかりのダブルデッカーバス、1947年型AECリージェントを2台購入し、ロケ地のジャマイカへ輸送した。低いアーチの下を通過するシーンのために、2台ともメインピラーを切断して2階部分が簡単に吹き飛んで分離するようにしたが、実際に使ったのは1台だけだ。このシーンは有名になり、真似をする向こう見ずな輩が後を絶たなかった。

3
当初『007/ゴールドフィンガー』のDB5には、テールライトが持ち上がって鋲をまき散らす仕掛けを装備する予定だった。この面白い武器が採用されなかった理由は、子どもが真似をして道に画鋲をばらまき、罪もない車に被害が及ぶ懸念があったためだ。



4
『007/ドクター・ノオ』でジャマイカのシーンに登場するネイビーブルーのサンビーム・アルパイン・シリーズⅡは、1962年1月の撮影時に現地で調達された。レンタル料は1日10シリングという破格の安さ。1958年の原作ではボンドが大衆的なヒルマン・ミンクスに乗っているから、映画ではわずかな出費でグレードアップを果たしたことになる。

5
『007/ダイヤモンドは永遠に』でボンドが使うトライアンフ・スタッグは、トライアンフがメディア向けに用意した10台のうちの1台で、なぜかトライアンフ・ヘラルドのエンジン音をかぶせられている。この翌年には、B 級ホラー映画『ドラキュラ’ 72 』にも出演した。

6
『007/ゴールドフィンガー』には、ディアボーンのフォード本社がマスタングとリンカーン・コンティネンタルを気前よく提供した。当時フォードの最高級車だったリンカーンがスクラップにされる場面では、映画館で大の男が人目もはばからずにむせび泣いたという。

7
『007/ 黄金銃を持つ男』に登場するタイの路上は、ボンドが乗る赤いホーネットX や、ゴールドのマタドール・クーペ、マタドール・セダンのパトカーなど、左ハンドルのAMC 車であふれている。だが、実はタイは左側通行の国だ。



8
『007は二度死ぬ』でボンドのチャーミングなドライバーになったアキを演じた若林映子は、実は運転ができなかった。そのため、スタントマンが5、6人がかりでケーブルを使って2000GTを引っ張らなければならなかった。

9
『女王陛下の007』でフォード・エスコートが氷上レースをしているシーンは、1969年に映画館で上映されたエスコートのCMにも使用された。イギリス人におなじみの声だった俳優のパトリック・アレンがナレーションを務めている。

10
ロジャー・ムーアの第1作『007/ 死ぬのは奴らだ』にはボンドカーが登場しないが、それだけでなく、Q も登場せず、Mのオフィスで指示を受ける場面もない。これはコネリーと比較されることを製作陣がおそれたためだ。

Words: Andrew Roberts

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