オーナーが心の底から楽しめるクラシックカーコンクール「ポルトゥ・クアトゥ・クラシック」とは

Piotr Degler

サルディニアはコスタ・スメラルダの美しいポルトゥ・クアトゥで開催されるコンコース・デレガンスも7回目を迎えた。あの007シリーズにおけるロータス・エスプリの潜水シーンで有名なビーチがまさに当地であることから、“007th Edition”と洒落ている。

世界各国からノミネートされた珠玉の名車達がメイン会場となるグランド・ホテル・ポルトゥ・クアトゥに並ぶが、そこに堅苦しいイメージは皆無だ。このポルトゥ・クアトゥ・クラシックは実はとんでもなく稀有な、出展者自身が主役としてぞんぶんに楽しめるコンクール・デレガンスなのだ。それはどういうことか? つまり通常のコンクール・デレガンスの主役は展示される車だ。そのオーナー達は愛車がそのウィナーとなるためにしごく窮屈な思いをしなければならないし、イベント運営や授賞式のタイミングに合わせて、あくせくしなければならなかったりする。もちろん、すべてがそうではないし、それはそれで良いと考える御方も多い。しかし、ここポルトゥ・クアトゥは違う。徹底した車のオーナー目線に立っているのだ。

だから4日間のうち車両プレゼンテーションに費やすごく短い時間を除いては、皆でビーチ遊びやパーティーが続く。メインの授賞式もディナーやファッションショーが終わった深夜から始まるといったぶっ飛び具合なのだ。出展車両のオーナー達も後述するようにきわめてユニークな方々であり、彼らが周りからサインを求められていたりするくらいだ。





しかし、審査にはまったく手抜きはない。FIVA, ASI公認コンコースであるし、国際的なクラシックカーシーンで活躍中の審査員はきわめてバランス感覚よく、的確なジャッジをこなしていると思う。7カ国から集まった16名の審査員によって、52台の参加車がジャッジされるのだが、ユニークなのはグループに分かれることなく、全員が同時にすべての車を評価する点である。運営サイドとすれば物理的に大いに手間がかかる手法ではあるが、審査のニュートラルさを求めて、第1回目よりこの手法がおなじみとなっている。



サルディニアは風光明媚なワインディングが多く、かつ夏場特有の渋滞も皆無だ。だから、参加車両は思いっきり安全にツーリングを楽しむ。そしてメニューの中には飛行場を使ったフラットアウト体験までできる。2座スポーツカーばかりでないから、皆がビーチカーやVWバンに乗り合わせてオープンエアを楽しんだりもするといった、まさにリゾート・モード。



文:越湖信一

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