元オーナーに当時の話を聞いてみた| インテグラを愛するUKスタッフの愛車日記

Matthew Hayward

『Octane』イギリス版の寄稿者による愛車レポート。今回は、ホンダインテグラのオーナーであるマシュー・ヘイワードが綴る。彼にとってインテグラは宝物だという。車だけでなく、人との繋がりも同様だ。



インテグラを所有していて一番良いことのひとつに、他のオーナーとの素晴らしいコミュニケーションがある。現在の所有者はもちろん、過去に持っていたという人と話をするのも楽しいものだ。その見た目からして、イギリスで注目を浴びるのは驚くことではないが、この“小さなホンダ車”には、皆揃って愛情深い思い出があるようだ。

雑誌に載ったこのインテグラを見て、この車の元オーナーであるロブ・ビショップからEメールを受け取るという、驚きつつも嬉しい出来事があった。彼は1999年にホンダから新車でインテグラを購入し、2000年と2001年のグループNのエンデュランス・レース用のマシンへと進化させた人物だ。スパとニュルンベルクでの4時間、6時間、24時間の耐久レースに出場し、結果はかなりの善戦だった。

「サーキットでレースをしていた当時は、より速い車には差をつけられていたけれど、燃料が軽かったこともあって、グループNのE36の予選通過タイムに迫ったこともあったんだよ」と彼は教えてくれた。シーズン中での唯一の故障はステアリングラックだけだったが、直すのが大変だった、とロブは回想していた。

またロブは、改造時に取り外した部品を今も保存しているそうだ。当時購入していたスペアパーツも同様とのことで、私が欲しいかどうか聞いてくれた。そのスペアパーツには、リアシート、カーペットのフルセット、内装の多数のトリム等に加え、オリジナルのステアリングホイールもあった。すべてが新車のときに取り外されたもので、箱に入れて保管されていた。実は私もスペアパーツをしっかり保管するタイプの人間なので、もちろんこれは断る理由はまったくない。喜んでいただくことにしよう。

サリー州の彼の自宅近辺で会うことにし、そこで彼のレーサー時代の話をたくさん聞かせてもらった。彼が部品を私に渡したがった理由には、彼のガレージを整理したいということも一因だった。というのも、彼には“ゴージャス”な1966年フォード・マスタング289GTという、新しいオモチャが届く予定があるのだとか。

私たちは必然的に、とてつもなく長い時間を車について語らいながら過ごすことになったが、その時間はなんとも楽しいひとときだった。ロブは金銭を受け取ることを拒み、代わりに慈善的に寄付をすることを提案してきた。彼は単に、それらのパーツが“適切な”場所で使われることを望んでいたからだ。

私もできるだけ多くのこれらのパーツが“適切に”使われてほしいと思いつつ、その場ではまだ全容を把握できていなかった。だが、そこでオリジナルのUK仕様のフロントナンバープレート用台座を発見して大興奮。これは、私がずっと探し続けてきたものだった。

パーツを受け取りに行く際は、もう一台の愛車アウディA2で。リアシートは簡単に外すことできるので、いわば「バン・モード」になる。小さいながらも頼もしい一台だ。

オイルフィルター数個、箱に入ったままの純正のブレーキディスク、リアサスペンションアームのセットの他に、未開封のアジップのフルシンセティックオイルもコンテナ単位でいくつもあった。2000年以降から明らかに時間は経過しているので、このオイルを使って良いものかどうか、私にも不明である。だが少なくとも、オイルの継ぎ足し用には持ってこいなのではなかろうか。アドバイスをいただければ幸いだ。



とにかく、私は自分のインテグラをさらに改良するために、これらの多くのパーツを使うつもりだ。そして、進化した姿をロブに見せるのが楽しみでならない。




文:Matthew Hayward まとめ:オクタン日本版編集部

オクタン日本版編集部

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