「人間誰しも心に仏がある」心に向き合い、ととのえる旅|禅と湯 ととのう京都 体験記:其の一

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前述の黄檗宗に関連して、普茶(ふちゃ)料理についても触れておきたい。普茶料理は萬福寺開祖である隠元禅師が中国から伝えた精進料理である。宇治市の萬福寺でもこの料理を提供しているが、今回は京都市内の鞍馬口にある「黄檗禅宗 瑞芝山 閑臥庵(かんがあん)」にて普茶料理をいただいた。



「閑臥庵」は黄檗宗の禅寺で、寛文11年(1671年)に後水尾法皇が貴船の奥の院から鎮宅霊符神を歓請し、黄檗山萬福寺より千呆(せんがい)禅師を招いて開山したことを起源とする。閑臥庵に祀られている北辰鎮宅霊符神は、陰陽道最高の神。さらに禅寺ということもあって、神仏に護られる、いわば最強の警護のもと、法皇の安息の地として和歌を詠み庭を愛でる庵となっていたという。「閑臥庵」という名が示すとおり、のどかに寝そべり寛ぐ場所だったのだ。

御本尊の釈迦牟尼佛坐像。

安倍晴明開眼の北辰鎮宅霊符神を祀る鎮宅堂。

宮中の流れもあり、雅やかな庵内は着物の帯などが随所に装飾として施され、さり気ない華やかさが添えられた個性的な空間となっている。そんな閑臥庵でいただく普茶料理では、精進料理の質素なイメージを覆す、彩り鮮やかな食材の数々が並ぶ。

写真は「竹膳」1人前9,680円(税、サービス料込)※その時季の食材の仕入れによりメニュー内容は変更します

ご存知のとおり、精進料理では肉や魚など動物性の食材は使えないことから、まぐろのさしみもどき(赤こんにゃく)、うなぎの蒲焼きもどき(豆腐と野菜の練り合わせを海苔に載せたもの)などの“もどき料理”も供される。目にも舌にもやさしい料理で、身体も“ととのえる”ことができるとは、なんと幸せなことだろう。

奥に入ると知る人ぞ知る隠れ家的なサロン「茶露夢」もある。夜のライトアップされた庭園を眺めて至福のひとときを。

ここで紹介した各種体験は、「そうだ 京都、行こう。」でもキャンペーンがおこなわれている。新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着いたタイミングで、是非京都で“ととのえて”みてはいかがだろうか。


萬福寺
京都府宇治市五ケ庄三番割34
TEL 0774-32-3900

興聖寺

京都府宇治市宇治山田27-1
TEL 0774-21-2040

いずれも「そうだ 京都、行こう。」 禅と湯 ととのう京都 ととのうチケット 参拝整理券利用対象寺院

宇治抹茶お香づくり
「そうだ 京都、行こう。」 禅と湯 ととのう京都 「宇治抹茶お香づくりと僧侶がご案内する興聖寺」プランで体験可能。
【設定日】2022年2月11日(金・祝)、12日(土)、3月12日(土)、13日(日)【旅行代金】7,500円(おとな・こども同額)【最少催行人員】2人

閑臥庵
京都府京都市北区烏丸通鞍馬口東入ル278
TEL 075-256-2480

「そうだ 京都、行こう。」 禅と湯 ととのう京都 特設ページ
https://souda-kyoto.jp/other/totonou/

※お香体験などの現地プラン情報は、以下ページにて随時更新予定
https://ec.jrtours.co.jp/ec/search/pc-tour-list/ty-op-totonou/?top_type=6&dep_region=01

※お出かけの際は行政による移動自粛についての最新情報や各施設の営業情報をご確認ください。

文:オクタン日本版編集部 取材協力:JR東海

オクタン日本版編集部

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