サファリの大自然に挑んだポルシェ911!│鳥がぶつかるアクシデントも

Porsche AG



さらにその後、ワルデガルドとコ・ドライバーのハンス・トーゼリウスは、獲物を狙うハゲタカがウインドスクリーンに激突してくるアクシデントにも見舞われる。

「この日の行程を終えた後、マシンのリヤセクションにハゲタカの痕跡が残っていて、ひどい匂いがしました。 鳥の胴体がウインドスクリーンに張り付いていましたよ」と、クスマウル。

クスマウルとバースのチェイスカーからウインドスクリーンが取り外され、ワルデガルドの911 SCに装着された。クイックリリース・ファスナーによって交換は迅速に終了したものの、クスマウルとバースはフロントガラスなしでアフリカの大地を180km/hで走行しなければならなくなったのだ。二人はバイク用のゴーグルをつけて、その場をしのぐことになった。



「180km/hのスピードで走行中に、親指くらいの大きさのカブトムシが顔に当たった時、どれだけ痛いか想像できますか?」と、クスマウルは笑う。しかし、新しいウインドスクリーンはすぐに空から到着した。サファリラリーは飛行機やヘリコプターも重要な武器になるということだ。上空にはポルシェがチャーターした、パーツを搭載したセスナがボスの指示のもと忙しく飛んでいた。 

川は荒れ狂い、河川の氾濫で流されてしまった道路、マッドホール。ケニアの大地は容赦無くラリーカーとドライバーに挑戦を突き付ける。ワルデガルドは、壊れたショックアブソーバーを30分で交換し、プレストンJr.は順調に走行を続け、2台のダットサンに続く3番手でナイロビに戻ってきた。



最終的にフィニッシュまでたどり着いたのは、72台参加した中で13台のみ。優勝を手にしたのは、ジャン-ピエール・ニコラのプジョー504 クーペV6。プレストンJr.はトップから37分差の2位だった。そして3位にダットサンのラウノ・アールトネン、優勝候補に挙げられていたワルデガルドは4位となった。

ポルシェのサファリ参戦は、この1978年でひとつの区切りがつけられることになった。しかしアフリカへの挑戦は続き、1984年のダカール・ラリーでポルシェ953が、1986年の同イベントでポルシェ959がそれぞれ優勝を飾っている。

オクタン日本版編集部

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