このレーシングカーは一般道で実用的だ|ある「ローラT70 Mk.III」オーナーの証言

1967年ローラT70 Mk.III(Photography:Justin Leighton)



エキスパートは語る
ナイジェル・ハルムは1980年ごろからT70でレースに出場し、1985年にはフェイルセーフ・ヒストリックGT選手権のチャンピオンに輝いている。長年、南アフリカでレースに参加している彼は、2006年と2007年のイギリスGPのサポートレースで2位に4度も入賞している。マロリーパークでのテスト走行を通じて、キース・ニューカムが彼のT70を適切に仕上げる手助けをしたのがナイジェルである。それ以前にT70をメインテナンスしたのが誰であろうと、満足な仕事は行われていなかったようで、その時点ではむしろ危険な車だった。ナイジェルと彼のメカニックのクライブ・ロビンソンも加わり、キースの"レッドローズ"の問題解決に当たったという。彼らはダンパーを交換し、サスペンションセットアップも見直した。

「我々は燃料系に欠陥があることも発見し、それをキースのメカニックであるミックが改善したんだ。2回か3回テスト走行を行った後は文句なしの性能を発揮するようになった」

「T70を路上で走らせるのは面白いことこのうえない。あの車はもともと寛容で、皆が心配するほど路上でも悪くない。私は有り余るほどのパワーを持ったレースカーを一般道で乗ることが大好きなんだ。最近はすべてが平凡でありふれたものだが、週末にT70でパブに出かけたり、早朝の空いたカントリーロードを走るのはちょっと違う。それはもう至福と言っていい」

「私はGT40も何台か持っていたし、2010年に売ってしまうまでマクラーレンM6GTに17年も乗っていた。今もそれを手放したことを後悔している。私のT70は完全なレーシングカーだが、キースのT70 Mk.IIIで一般道を走るのは本当に楽しかった」

編集翻訳:高平高輝 Transcreation:Koki TAKAHIRA Words:Ivan Ostroff Photography:Justin Leighton

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