リビングルームのオブジェとなったビモータを手放す|『Octane』UKスタッフの愛車日記

Octane UK

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は二輪の話題だ。デルウィン・マレットが、新車時から所有する1986年ビモータDB1をリビングに飾ることになった経緯と、それに付随するエピソードを綴る。



ついに手放すことに決めた。何を手放すのか、って?この10年ほどリビングルームを飾り、私のセンスを高めてくれた、このゴージャスな“動く彫刻”のことだ。今回の決断の理由のひとつは、ビモータDB1の美的な歓びを室内で味わうという私の熱意を、最後まで妻に理解してもらえなかったことかもしれない。

ビモータがリビングに飾られることになった経緯は、私の尻が疲れ果ててしまって跨げなくなったことも原因だ(皆さんには鼻で笑われるだろうが)。乗れなくても、眺めて夢を見ることはできる、と思った。それで妻が数日間留守にしている間に、こっそり家に忍び込ませ、家具の配置を変えておいたのだ。なので、妻が帰ってきた際に激怒しないことを祈るばかりだった…

このビモータは新車時から所有してきた(下の写真)が、当時は「奇跡のパッケージング」と評判だった。750ccのツインエンジンとそれに付随するメカ部分が、通常400cc程度のエンジンが占める容積に詰め込まれたことに驚いた。いったいどうやればできるのだろう?



詰め込まれているということは、お目当てのパーツを取り外すためには、別の部品を先に取り外さなければアクセスできないということに気付いたのは、リビングに運び込んでから数日が経過した後だった。

私の目的は、バッテリーを取り外すことだった。バイクを家の中に運び込んだとき、外すのは大した手間もかからないだろうと思って、そのままにしておいたのだ。プラスチックのカバーを剥がすのは驚くほど簡単だった。DZUSファスナーを8つ外し、アルミ製の大径六角ボルト4本を緩め、電気コネクタをいくつか抜けば、ネイキッドのビモータの完成だ。バッテリーはガソリンタンクの下にあるので、それも外せるだろう、と。

驚くべきことに、タンクを固定しているのはボルト1本だけで、フロントにはプッシュ式のローラーが付いている。燃料のラインを取り外すのは少々面倒だが、本当に楽しいのはタンクを外したときからだ。バッテリーは埋め込まれているといった様子で、フレームチューブを越えて外側に出せる気配が全くない。

出せるとしたら、下からしかない。

さらに多くの部品が取り外すのに、1時間以上かかった。その間は、ここには書けないような罵詈雑言を思わず口走ることになってしまった。まず、バッテリーボックスのボルトを外し、その先端から2本のワイヤーで固定されたリレーを外す。次に、オイルクーラーのボルトを外し、前方に押し出す。そして、バッテリーボックスが落ちるのをホーンで止める。最後にボルトを外す。



次に邪魔になるのは、レブカウンターケーブルだ。運を味方につけて力技で、バッテリーボックスのフレームをなんとか乗り越えた。するとフレームから横向きにして、バッテリーを取り出すことができた。

外した部品は装着し直したが、新しいバッテリーの装着は、新しいオーナーに任せようと思っている。だれか、このバッテリーの外れたビモータを欲しい人はいるかい?


文:Delwyn Mallett

Delwyn Mallett

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