ロールス・ロイス初のEVは、紛うことなきロールス・ロイスだった!

Rolls-Royce

ロールス・ロイス・モーター・カーズは、ブランド初となるBEV(バッテリー電気自動車)を6月30日に日本で発表した。モデル名はスペクター。4つのシートをもつ2ドアクーペである。



発表会に用意されたのは特別仕様車のProphecy(プロフェシー)。このモデルは創業者ヘンリー・ロイスにゆかりのあるウエストウィッタリングビーチの風景にインスパイアされたウィッタリングス・ブルーというボディカラーをまとっている。インテリアはシヴァロ・グレーとチャールズ・ブルーのコンビネーション。シートパイピングとステッチポイントは外装のアクセントと同じマンダリンカラーとなっている。インテリアは4796個の星に見立てた光源を組み込んだスターライトドアや、ルーフには夜空を思わせる5584個のイルミネーテッド・ファシアで幻想感を演出。



ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋リージョナル・ディレクターのアイリーン・ニッケイン氏。

ボディサイズは全長5475mm×全幅2144mm×全高1573mm、ホイールベースは3210mmで車両重量は2890kgと超立派な躯体。アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリーと呼ばれるオール・アルミニウム製スペースフレームを採用し、アルミニウム押出しセクションとバッテリー搭載構造の一体化によって、従来モデルより30%もの剛性向上を達成している。また約700kgのバッテリーを副次的な構造体として使用することにより、遮音性を大幅にアップさせているのもユニークな工夫である。エアロダイナミクスを想定して伝統のパンテオン・グリルはややスラント。ルーフラインはシームレスにデザインされており、ボディ下部のワフトラインや23インチ大径ホイールの採用も空力には効果的だ。これらの貢献によりスペクターの空気抵抗係数はロールス・ロイス史上最良の0.25というスポーツカー並みのデータを誇っている。気になるパフォーマンスだが、発表されたスペックは最高出力430kW(584hp)、最大トルク900Nmを発揮。最高速度は250km/h、0-100km/h加速は4.5秒。航続走行距離はWLTPモードで530kmである。

スペクターの開発プロセスでは、250万kmにおよぶテスト・プログラムを行ったという。これはロールス・ロイスの考える通常使用の400年分以上を想定した圧倒的に長い期間だ。ハードな開発テストで有名なロールス・ロイスだが、このスペクターはブランド史上最も過酷なテストを行ってきたらしい。たとえパワートレーンがエンジンからモーターに変わろうとも、その静粛性や乗り心地、走りのパフォーマンスなどにまったく妥協がなかったというのも実にロールス・ロイスらしいところ。



デジタルコネクトのおいてもスペクターは先進的である。ロールス・ロイスとしては初採用となるビスポークインストゥルメントダイヤルを装備。SPIRIT(スピリット) と呼ばれるデジタルアーキテクチャーにより、車内ではもちろん、リモートにおいても対話型アプリケーションが利用できるという。またオリジナルのアプリケーションであるWhispersとの統合により、スペシャリストが厳選したラグジュアリィな情報も得られるという。



価格は4800万円から。デリバリー開始は2023年の第4四半期を予定しているが、既に日本国内におけるロールス・ロイス・スペクターのオーダーは開始されている。

オクタン日本版編集部

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