愛娘の足形を室内パネルに!? |前澤友作氏の「ファントム・オリベ」だけじゃない、ロールス・ロイスの超ド級「ビスポーク」13選

Rolls-Royce

ロールス・ロイスといえば世界屈指のラグジュアリーカーとして確固たる地位を築いているが、その真髄には「ビスポーク」の存在がある。 正確にはロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブと呼ばれる、いわゆるロールス・ロイスのカスタムメイドプログラムである。 ビスポークによってこの世に1台の特別なロールス・ロイスを製作することができるのだ。

2021年、ロールス・ロイスはカスタマーからの多種多様な要求に見事に応え、ビスポークはさらに進化を遂げている。歴史上の出来事や人物、有名なアート作品、個人の芸術品、自然、建築の世界などからインスピレーションを得て、オーナー個人のスタイルと個性を表現する真にユニークな車を作り上げた。本物のラグジュアリーの新しい野心的な解釈を探求、開発、発表し、現代のクラフツマンシップの最高峰とも言うべき作品たちを世に放ってきたのだ。

ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者のトルステン・ミュラー・エトヴェス氏は、
「前例のない、予測不可能な一年でしたが、ハウス・オブ・ロールス・ロイスは、117年の歴史上、過去最高の年間販売台数を達成することができました。2021年には、世界中のお客様に5,586台の車をお届けしました。お客様と密接に協力し、ビスポークチームの創造性の限界をさらに広げることに成功しました。その結果、注目すべきコミッションがいくつか生まれました。ロールス・ロイスは、クラフツマンシップを真に理解し、高度に熟練した才能あるチームの中で、進歩的で独自の技術を磨き上げてきました。職人たちは、ビスポークの実現可能性をさらに高め、貴重で希少な素材を工夫して使用し、その分野における世界クラスの秀逸な例を作り上げているのです」
と話している。

今回はそんな世界最高峰の職人たちが作り上げたロールス・ロイス・ビスポークの2021年のハイライトを紹介しよう。

1. レイスクリプトスの暗号



2021年、レイス クリプトス コレクションの最終モデルが世界中のオーナーに届けられ、2020年に発表されたミステリアスなコレクションに火がついた。このコレクションには、車のデザインに迷路のように複雑な暗号が埋め込まれている。何も知らない人が見れば、単なるユニークなデザインであり、ロールス・ロイスのダイナミックさを強調するために追加された要素でしかないだろう。しかし、これはロールス・ロイスのカスタマーの好奇心に応えるための最高のゲームであり、その暗号を解くことでカスタマーは唯一無二の賞品を手に入れることができるのだ。



この暗号を解こうとする試みは世界中から寄せられ、複雑な理論や膨大な分析結果がグッドウッドのロールス・ロイス本社に送られてくる。現在までに、暗号の愛好家とクライアントとのコラボレーションにより、暗号の一部が解決されたが、最終的な解決はまだなされていない。

レイスの暗号を解読するためのレースは、まさにこれからが本番だ。


2. 日本人建築家、隈研吾が表現するドーン

ロールス・ロイスと隈研吾は、世界初のビスポーク・ロールス・ロイス ドーンを発表し、ラグジュアリーと建築の世界の架け橋となった。このドーンは、隈研吾が設計し、世界的な高級不動産デベロッパーであるウエストバンクが発注した東京・北参道にある新しい高級住宅「ザ・キタ」を表現している。



ドーンの外装は、建物の主要構造材のシルバーグレーをイメージした多面的な色彩の「シルバーヘイズ」で表現されている。太陽の光に照らされると、ブロンズの光沢が現れ、建物外壁のブロンズ輿ルーバーや内装のブロンズ装飾を反映した温かみのある色になる。さらに、シルバーのボンネットとブラックのコーチラインですっきりとした印象に仕上げている。ペントハウスのエントランスロビーに使われているウォールナットのパネルと同様に、リアデッキにもロイヤルウォールナットのオープンポアのパネルが使われ、インテリアとエクステリアが一体化しているのだ。



家と車、生活において必要不可欠な2つの要素をロールス・ロイスと隈研吾が手がけている。なんという贅沢だろうか。


3. ゴースト・エクステンド・アーバンサンクチュアリ



ゴースト・エクステンデッドは、市場への導入が大成功を収めた後、ビスポークの”旅”に乗り出した。ポスト・オピュレントのデザイン哲学をさらに追求したアーバン・サンクチュアリでは、寄木細工がより高度に表現されている。また、上海の有名な豫園にあるパビリオンの窓のシャッターの「割れた氷」の効果を思い起こさせるこの幾何学的な木片のモザイクは、オープンポアの黒曜石の単板で仕上げられている。さらに「割れた氷」をテーマにしたビスポークの刺繍パネルがシートインサートに施されている。



インテリアはネイビーブルーとカシミアグレーのツートンカラーで、セルフドライブでも、運転手付きでも、ユニークな体験ができる。また、プライベートジェット機をイメージした、リクライニング可能なカーフレスト付きセレニティシートが、運転手付きのライドエクスペリエンスをより一層引き立てるだろう。ライムグリーンのステッチと相まって、エレガントな雰囲気を醸し出している。

アーバンサンクチュアリのコーチワークは、上品で落ち着いたガンメタルとジュビリーシルバーのツートンカラーで、ライムグリーンのコーチラインとホイールピンストライプは、夜の上海のネオンをイメージしている。


4. ドリームゴースト



ゴースト・エクステンデッドは、南フロリダの高級品コレクター、デビッド・バートシアク氏の特別な依頼により、史上初のパーソナルなイルミネーション・フェイシアのキャンバスとなった。彼はロールス・ロイスのビスポークチームに、イルミネーション・フェイシアを「GHOST」ではなく「DREAM」と表記してほしいと依頼をした。

「この願いは、1983年にフロリダ州ヴェロビーチの美しい夜空の下で生まれた少年時代の夢、私が日々周囲に植え付けている夢、そして私が亡くなった後、私の魂が世界に引き継ぐことを願う夢を語っているのです 」とデビッド氏は述べている。



バルトシアク氏の依頼によるスターライトヘッドライナーには、もうひとつビスポークならではの、パーソナルなタッチが施されている。1983年にバートシアク氏が誕生した日のフロリダ州ヴェロビーチの上空の星の配置を1236個の光ファイバーライトで表現しているのだ。

夢を概念的に表現するのにこれほど粋な方法があっただろうか。


5. ペブルパラディソのビスポーク レイス



上海在住のカスタマーがオーダーしたペブルパラディーゾブルーのレイス。手描きのコーチラインは貝殻色で、エレガンスへの情熱を象徴する繊細な蘭のモチーフがあしらわれている。



車内には、ピアノホワイトのモニターリッドに女の子の足形を描いたアートワークが描かれ、オーナー念願の赤ちゃんへのオマージュとなっている。インテリアは、ナチュラルグレインレザーのシャルルブルーとシーシェルのツートーンカラー。スターライトのヘッドライナーには、娘さんへのオマージュとして星座が描かれ、お祝いの気持ちを伝えている。



海岸の色合い、子供の無限の愛、蘭の花の優雅さと気品は、オーナーの包括的な生き方を象徴しており、レイスは娘さんのお気に入りの場所になるに違いない。


6. カリナン 50th 



2021年のUAEの歴史的なゴールデンジュビリーを記念して、世界に1台しかない壮大なカリナンが誕生した。アークティックホワイトの上にクリスタルで仕上げられたエクステリアには、手描きのダブルコーチラインが施され、上部のラインはホットスパーレッド、下部のラインはフェイムグリーンで彩られている。さらに、ゴールドのコーチラインモチーフ、ホットスパーレッド、フェイムグリーン、ブラックで表現されたCピラーモチーフの国旗、UAEの国旗を表すホイールセンターのダブルピンストライプで、UAEを全身で表現したカリナンだ。



コーチのドアを開けると、特注の照明付きトレッドプレートには「50th」の文字が。アークティックホワイト、ブラック、ホットスパーレッドのレザーにフェイムグリーンのコントラストステッチを施したインテリアは、エクステリアと同様、UAEのエンブレムがそれぞれのヘッドレストに刺繍されている。ヘッドレストにもUAEの国章が刺繍されている。また、フロントパネル、リアのウォーターフォール、ピクニックテーブルには、50周年記念のゴールドのモチーフがあしらわれている。また、インテリアキャビンには、グリーンカラーを基調としたユニークなシューティングスターを配したスターライトヘッドライナーが採用されている。



UAEへの愛国心溢れる一台だ。

オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事