名ドライバー、アラン・プロストのサイン入り!フェラーリからプロストに贈られたF40

Rémi Dargegen ©2023 Courtesy of RM Sotheby's

F1で偉大な戦績を残した名ドライバー、アラン・プロスト。1985年、86年、89年、93年にワールドチャンピオンの栄冠を勝ち取った彼の活躍ぶりは今さら詳しく説明するまでもない。マクラーレン時代に3度のチャンピオンの座に輝いたのち、1990年にはフェラーリへ移籍した。

フェラーリがプロストを迎えるにあたって、フェラーリの車両を贈るのは至極当然の成り行きで、ましてや彼は前年のワールドチャンピオンである。プロストに与えられる車としてF40ほどふさわしいものはなかったであろう。



現在、RMサザビーズのオークションに、このF40(シャシー 83249)が出品されている。 1989年後半に完成したこのF40はノンキャタ(触媒なし)の前期型で、1990 年 2 月にフランスのメリベルにあるプロストの自宅で登録されている。RMサザビーズがプロスト氏に確認したところ、実際にはプロスト氏はこのF40を受け取った後は一度も使用することなく、デリバリー後ほどなくして売却したのだという。



この車両の次のオーナーは、現在フェラーリ・チャレンジ・シリーズでも活躍しているグラハム・デ・ジル氏だ。数多くのフェラーリを所有していた彼は、プロスト氏の代理であるグレイポール・フェラーリを通じてこの車両を購入したとRMサザビーズに語っている。車両の引き渡し前にプロスト氏はF40のルーフにサインをした。そのサインはクリアコートされて現在も残っている。



1995 年にジル氏がイギリスからジャージーに引っ越した際には、このF40も彼とともに海を渡った。その頃に走行距離計はキロメートルからマイル表示に変更されたようだ。ジャージーにいる間、F40 は、『Motor Sport』誌の1997年4月号のフェラーリの 50 周年を祝う記事で取り上げられたこともある。

1999年までにF40は英国に戻り、レミントン・スパのデイヴィッド・ダーリン氏が所有し、数年後にクレイグ・ジョンソン氏の手に渡る。その後、2006年にカール・マッコーエン氏が購入するまで、ほとんど使用されることはなかったという。2007年 9 月にはアリスター・ ダイソン氏が購入し2016年まで同氏が保有していた。





このF40は、オリジナルのシャシー、エンジン、ギアボックス、ボディワークを維持していることを証明するフェラーリ クラシケの認定も受けている。フェラーリ70周年の際には、F40はマラネロに招待され里帰りを果たした。70周年を祝うフィオラノでのコンクールに参加し、クラス 2 位を受賞している。




Photography: Rémi Dargegen ©2023 Courtesy of RM Sotheby's

オクタン日本版編集部

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