不運に見舞われたBMW 320iコンバーチブル。純正パーツはまだあるのか !?

Octane UK

『Octane』UKスタッフによる愛車日記。今回は1989年 BMW 320iコンバーチブルに乗るグレン・ワディントンのレポートだ。絶好調だったBMWが、ある日突然不運な出来事に見舞われた…



昨年10月のある晴れた日の午後、私はノーザンプトンの環状道路A45を、愛車の1989年 BMW 320iコンバーチブルをオープンにして時速60マイルでのんびり走っていた。左方向へのブラインドカーブがだんだん急になってきたあたりで突然、私の視界に古めのグレーのアストラが、左右にふらつきながら、不安定でゆっくりした様子で現れた。私に反応する時間はほとんどなかった。路肩はなく、左に寄せる場所もない。ガードレールと森の斜面があるだけだった。車線変更しようと右肩越しに確認してみたが、大きなSUVが猛スピードで迫っていた。もう、どうしようもなかった。私は思い切りブレーキをかけたが、アストラの後部に衝突した。この時点でアストラは完全に停止していたのだ。

戸惑いながらも、私は気を取り直し、車をできるだけ左側に寄せた。アストラは慌てふためき走り去ってしまった。運転手が何を考えていたのかは、知る由もない。私は警察に電話した。やってきた警察官は私の車を確認し、運転可能であると判断した。事故の証明番号を発行してもらい、その日は帰路についた。

正直言って私は、帰宅してBMWをガレージに入れたあとは、この事故のことは考えないようにしていた。ダメージはさほどひどくはなかった。フロントバンパーが、バンパーとしての役割をしっかりと果たしてくれたのだ。しかし、このパーツを交換してしまうと、私の自慢のBMWはフルオリジナルではなくなってしまう。おまけに、どこで修理を受けたらいいのかもわからなかった。はたして部品はあるのだろうか…



まず、私がこのBMWともう一台の愛車であるポルシェボクスターの両車にクラシック特約を付けているピーター・ジェームス保険会社に電話してみた。すると、かなり心強い返事を得ることができた。どこに修理を依頼するかは私次第で、見積書を提出すればいい。

実は、私はこれまで大がかりなボディの修理を必要としたことがなかったので、どこに修理を依頼するか逡巡した。以前、『Octane』の特集記事の取材で訪問したグランドスタンド・コーチワークスがいいだろうか。彼らの仕事ぶりや様々なプロジェクトに感銘を受けたからだ。しかし、私はBMWをチッペンハムまで120マイルも走らせ、保険が下りると判断されるまでの間、そこに置いておくのは不安だった。そこで、私の馴染みの業者、スチュアート・テンプルトンに電話したところ、地元ノーザンプトンシャーにあるクラシックカーのボディワーク専門店、プロライン社(proline-paint.com)を勧めてくれた。同社で見積書を用意してもらい、ピーター・ジェームス社から派遣された査定員は、すべて保険でカバーできると判断してくれた。あとはパーツを探すだけだ…



数年前、BMWグループ・クラシック(Classic認定パートナー)からテールランプの交換用レンズを調達したことがあるが、担当者の変更により部品の現在はオンライン注文ができなくなってしまったようだ。ウェブサイトには「お近くのBMWディーラーにお問い合わせください」と書かれている。クラシックモデルのパーツ調達は、電話一本で済むほど簡単なことなのだろうか?私は半信半疑でノーザンプトンのBMWウォラストン店に連絡を取ってみた。

どうやら、我々はラッキーだったようだ。部品アドバイザーのピーター・ジェファーズが、プロライン社の社長ガレス・ジョーンズと共に必要事項を確認し、手配してくれた。そして、今日かかってきた電話によると、バンパー、トリム、ヘッドランプ、ウインカーレンズ、そして、世界でたった一個だけ残っていた新品のE30用フォグランプが、ドイツから到着したという(他に必要だった方には申し訳ない限りだ)。他にも複数の部品交換が必要だが、いずれもBMWの純正部品で修理される予定だ。部品の到着にはまだしばらくかかるようだが、純正パーツで直せることがわかっただけでも一安心だ。


文:Glen Waddington

オクタン日本版編集部

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