フランス・レトロモービル会場で見かけた粋なバイクたち|ブラフ・シューペリアからダラーまで!

Tomonari SAKURAI

レトロモービルの会場で見かけたバイク。メインの会場では、「ヴィンテージ」というよりも「伝説」のブランド、ブラフ・シューペリアがブースを構えて展示していた。これまではどこかの一角を借りての展示が多かったのだが、今回は違う。2013年にプロトタイプを発表した新生ブラフ・シューペリアは英国製ではなくフランス製となった。オリジナルのモデルをオマージュした新生SS100を元に今年はバリエーションを展開。その一台はアストンマーティンと共同開発した、ヴァルキリー AMR プロからインスピレーションを得た「ヴァルキリーAMB Pro」も展示されたのだ。 

新生ブラフ・シューペリアとアストンマーティンが共同開発したヴァルキリーAMB Pro。

ブラフ・シューペリアはバリエーションを増やして展示された。

今年のレトロモービルのバイク展示はDollar。今年で100年を記念しての展示だ。フランスのブランドで、1923年に発表されたモデルはアメリカを意識して「ダラー」と名付けられた。

100年前に誕生したダラーの展示。

300万以下でエンスージアストのコーナーのバイクはやや寂しい感じ。今フランスで一番人気のヴィンテージバイクはホンダCB750。次がカワサキZ1と、日本車が大人気だ。それでも今回はCBは見かけたもののZ1がなかったのが寂しい。この場に出展するまもなく売れてしまっているのかもしれないけど。

販売中のCB750。後にはスズキのGSも。

バイクではないが、今年は会場や屋外展示の周りをヴィンテージの自転車が走り回っていた。当時の服装に身を包んだ人たちが会場を走り、屋外ではそれらの自転車を子供達に乗せて体験させていた。…と、それを見ていたらそのうちの一人に名前を呼ばれた。振り返って顔を見てもすぐには思い出せなかったが、以前この連載でもお伝えしたトルヴィルでのビーチのイベントにいた人だった。19世紀の服装をしていた一人だったのだ。服装が替わると雰囲気も変わってなかなか気がつかないものだ。聞けば19世紀の自転車からアレックスサンジェ、ルネエルスなど自転車のコレクターでもあるのだとか。

19世紀の自転車も会場を走る。

といった具合で、今年のレトロモービルではオートバイが盛り上がっていた。普段の生活でのオートバイはこの真冬でもかなりの数が走っている。特にパリのような渋滞が頻繁に起こるところは。バイクは渋滞している車の隙間を勢い良くすり抜けして行く。車がちょっとよけてくれればバイクが抜けて行く隙間ができ、二輪と四輪がうまく共存してパリの交通は成り立っているのだ。ただ、バイクの数が増えてきたことで今までバイクになかった車検制度を導入しようというフランス政府に現在反発中。年金の受給年齢引き上げでパリでは大規模なストライキが繰り広げられているが、この車検制度に反発するバイクライダー達も黙ってはいない。

さて次回はレトロモービルのオフィシャルオークショニアであるアールキュリアルのオークションを覗いてみたいと思う。

1934年にモンレリサーキットで3000kmの走行や24時間の走行などでの平均速度などいくつもの世界記録を塗り替えたP515。プジョーの名を世に知らしめた一台。これはプジョーのブースでの展示だ。

写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

Tomonari SAKURAI

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