過去から来た「未来の車」!? 流線型の三輪オープンカーの未来感が半端ない!

Gabor Mayer (C) 2022 Courtesy of RM Sotheby's

第二次世界大戦後の数年間は、アメリカの自動車産業にとって“ゴールドラッシュ”のごとく意欲的でエキサイティングな時代であったに違いない。マーケットの活況も相まって、どんなに型破りなものであろうが、「なんでもアリ」の楽観的で自由な空気にあふれていた。

「なんでもアリ」の時代にあらわれた「未来の車」がこのデイヴィス・ディヴァンである。インディアナ州の中古車セールスマンであったグレン・ゴードン ・“ゲイリー”・デイヴィスの発案によるもので、伝説的なインディカー・デザイナーのフランク・カーティスのワンオフ・カスタムデザインに大まかに基づいて造られたものである。



このユニークな「三輪車」は、未来の車としてプロモートされた。燃料効率がよく、合理的、アルミニウム・ボディ、ライトはリトラクタブル、そして1列のベンチシートには大人4名が座れるとされた(さすがに4名乗車は無理があるのではないかとも思うが…)。しかも価格はわずか1,000ドルで設定され、量産を目指したが、残念ながらディーラーの契約とデポジットの問題により量産化を果たすことは叶わなかった。その後、デイヴィスは詐欺の有罪判決を受け、デイヴィス社は裁判所から閉鎖を命じられることになってしまう。



今回、RMサザビーズのアメリア・アイランド。オークションに供されるこの1948年のデイヴィス・ディヴァンは、同社が3番目に製作した個体である。他にも現存している車両もあるが、これは2台のプロトタイプに続いて製作されたプロダクションカー第1号車であり、非常に希少な存在だといえるだろう。



納車後、この車両はミシガンで静かに長い期間を過ごしたのち、2011年に現在のオーナーの目に留まった。現在のオーナーはそれを機にデイヴィス愛好家となったようだ。その後、このデイヴィスは現在の茶色メタリックの外装、ベージュと茶色のツートンカラーの内装にレストアされている。取り外し可能なグラスファイバーのハードトップも備えたこの「三輪車」は、誕生から70年以上が経った今見ても、十分に「未来の車」としてユニークかつ魅力的である。



Gabor Mayer (C) 2022 Courtesy of RM Sotheby's

オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事