手に入れれば「すぐに走行可能」って本当⁉ 73年前のフェラーリ166インターでミッレミリアに挑戦してみては

Furlonger Specialist Cars

エンツォ・フェラーリの最優先事項はレースでの勝利だったかもしれないが、卓越したロードカーを造りあげることも同じように重視していた。1949年に登場した166インターは、レースで勝利した166Sのシャシーに、コーチビルダー製のクーペボディとラグジュアリーなインテリアが組み合わされていた。競技のために開発された2リッターのコロンボV12エンジンを、公道走行に合わせて搭載し、こうしてロードレーシングカーは快適で優秀なグランドツアラーとなった。

製造はわずか36台で、このシャシーナンバー017Sは、史上9台目に完成したフェラーリのロードカーと考えられている。166は様々なコーチビルダーが手がけたが、これはカロッツェリア・トゥーリングによるボディで、スーパーレッジェーラ・クーペを思わせるスタイルだ。ファクトリーからミラノのフェラーリ正規ディーラー、フランコ・コルナッキアに販売されて以降、ヒストリーを示す書類も豊富に残る。1958年から30年間は、スイス人オーナーの元で大切にされていた。



最初のレストアは、1986年にマラネロのアウトフィチーナ・フランコ・トーニで受けた。1994年には、次のオーナーがミッレミリア出走の準備として、ボディとインテリアを整えた。1995年と96年に出走したあと、チューリッヒのカヴァリエーレ・アントニオ・コスタンティーニに送られて、エンジンとギアボックスをリビルド。2000年に再びミッレミリアに出走したあと売却された。



続く10年間は、オランダ人オーナーが様々なイベントに出走して楽しんだ。2010年にこれを入手した最初のイギリス人オーナーも、フェラーリ・オーナーズクラブのイベントに数多く参加し、2011年には4度目となるミッレミリア出走を果たした。

直近のオーナーは、ヴィラ・デステやサロン・プリヴェ、ヘヴェニンガム・コンクール、コンクール・オブ・エレガンスなどに頻繁に出品している。2019年には、トゥーリング製ボディのフェラーリを祝うツアーにも参加した。現在、イギリスで最も古いフェラーリ・ロードカーのひとつであり、フェラーリ・クラシケの認定を示す"レッドブック"や、FIVAのIDカード、マッシーニ・レポートなど、重要な書類も揃う。

これを149万9990ポンドで販売しているイギリスの「ファーロンガー・スペシャリスト・カーズ」によれば、「すぐ走行可能な状態」だという。この1949年フェラーリ166インター・ベルリネッタを手に入れて、ミッレミリアに5度目の挑戦をしてみてはどうだろうか。


編集翻訳:伊東和彦 (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵
Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.)  Translation:Megumi KINOSHITA

オクタン日本版編集部

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事