愛娘の足形を室内パネルに!? |前澤友作氏の「ファントム・オリベ」だけじゃない、ロールス・ロイスの超ド級「ビスポーク」13選

Rolls-Royce



7. パイクスピークブルーのカリナン

自動車愛好家であり耐久レース選手でもあるベン&クリスティン・スロスは、ロールス・ロイス・モーター・カーズ・ロスガトスでロールス・ロイス ブラックバッジ カリナンの特注車を依頼した。



パイクスピーク・ブルーという独自のカラーリングで仕上げられたこのカリナンは、カスタマーお気に入りのイベントである伝説的なコロラドのヒルクライムに敬意を表したものだ。手描きのコーチライン、ホイールセンターのピンストライプ、ブレーキキャリパーに施されたフォージ・イエローの鮮やかな閃光は、ブラックバッジ・カリナンはモデナの国旗と夫妻のレーシングカーのカラーリングを継承している。また、ブラックバッジ カリナンのドアには、スロス夫妻のレースに対する愛情が表現されており、各ドアパネルには、夫人のレースロゴであるスティレットが刺繍で施されている。




8. ファントム・オリベ

ロールス・ロイスとエルメスのコラボレーションにより、日本の企業家、前澤友作氏のためにファントムのビスポークが製作された。ファントム・オリベと名付けられたこの車は、前澤氏の世界的な日本古陶磁のコレクションである織部焼にインスパイアされたツートンカラーの外装を持つビスポークである。また、ファントム・オリベの塗料は、前澤氏のプライベートジェットでも使用できるようになっているという。



インテリアはエルメスのエネアグリーンのレザーを中心に仕上げられており、ロールス・ロイスでは初めて、エルメスの「トワルH」キャンバスがドアアームレスト、センターコンソール、リアコンソール、そしてシグネチャーヘッドライナーをも飾っている。



日本にもこのようなこだわり抜かれたビスポークのロールス・ロイスが存在するというのはどこか誇らしく感じる。


9. ファントム・テンパス・コレクション

ファントム・テンパス・コレクションは、ファントムから派生したビスポークコレクションで、20台限定のこのファントムは、「時間の流れ」や「止まっているように見える時間」の概念にインスピレーションを受けている。



デザインは、時間と宇宙に関するさまざまな美的・知的テーマを包含している。精巧なヘッドライナーに描かれているのは、1967年まで未知であった宇宙の最深部にしか存在しない希少な天文現象「パルサー」だ。この非常に高密度で白熱した星は極めて規則的なパルスで電磁波を放射するため、宇宙で最も正確な時計の基準となっているのだ。



ファントム・テンパス・コレクションのエクステリアは、宇宙の闇と神秘を体現するために作られた新しいビスポークの塗装仕上げ、カイロス・ブルーで表現されている。この塗装には宝石のようなブルーマイカのフレークが組み込まれており、光を受けるとキラキラと輝き、星を表現している。この効果は、ブラックの外装ディテールによって強調されている。




10. ファントムコア

ファントムコアは、ハワイの大地でのみ育つ希少な樹種であるコアウッドをロールス・ロイスが初めてファントムに採用したモデルだ。ハワイのマウイ島で長い時間を過ごすうちに、コアの持つ温かみと個性に魅了された自動車愛好家のジャック・ボイド・スミスJr.とその妻ローラのインスピレーションによるものである。



コアの木はハワイにしか生育しておらず、州立・国立公園で保護されている。私有地の農地からしか収穫できず、適切な原材料を見つけるのは至難の業だ。ロールス・ロイスのウッドスペシャリストは、この発見を「100万分の1の確率」と表現した。



ロールス・ロイスのビスポーク・コレクティブとの3年にわたるコラボレーションの成果であるこのビスポークは、60台以上のユニークな自動車コレクションとともにJBSコレクション・ミュージアムにに収められている。




11. ランズスピード・コレクション

ロールス・ロイス ランズスピード・コレクションは、ブラックバッジ・ドーン25台、ブラックバッジ・レイス35台のみの限定生産で、ジョージ・アイストンの素晴らしい人生と記録からインスピレーションを得ている。



ジョージ・エイストンは生前、軍十字章、レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ、大英帝国勲章(OBE)と3つの重要な栄誉を受けており、これらの栄誉はドーンとレイスそれぞれの運転席のドアに、オリジナルのメダルリボンと同じカラーのグログラン織りで作られた繊細なディテールに見ることができる。



ブラックバッジ・レイス・ランドスピードのスターライトヘッドライナーは、エイストンとサンダーボルトが3度目にして最後の世界陸上速度記録を達成した1938年9月16日に、夜空に現れた天空を完全に再現している。星座は、個別に配置された2,117個の光ファイバー製の「星」によって正確に示されており、これはロールス・ロイス ブラックバッジ・レイス・スターライトヘッドライナーの中で最も多い数のスターライトヘッドライナーだ。


12. カリナン ブラック&ブライト

ロールス・ロイス・モーター・カーズ・モスクワは、夜のモスクワの雰囲気をイメージしたブラックバッジ・カリナン「ブラック&ブライト」を発表した。2年前のブラックバッジ・レイス「ブラック&ブライト」の成功に続き、2021年のイテレーションは同じ精神でデザインされ、さらに意匠が凝らされている。



この限定シリーズでは、5台のブラックバッジ・カリナンが大胆かつ個性的なカラーコンビネーションで登場する。マグマレッド、オレンジメタリック、トワイライトパープル、フォージイエロー、ターキーゼの5色だ。ブラックバッジ・カリナンのテクニカルカーボンパネルには、同色のインレイデザインが施され、スターライトヘッドライナーは、エクステリアとインテリアのアクセントに呼応している。



ブラックバッジは、伝統的なラグジュアリーの規範にとらわれない人々のための永久的なビスポーク・シリーズとして、また極めて個性的なビスポーク・カーのためのキャンバスとして機能し続けるのだ。


13. ボートテイル

3台のボートテイルは、3人の特別なカスタマーと共に、単なる移動手段を超える存在を目指して作られた。



この車は、ゆったりとしたプロポーションのハンドビルドの最高傑作であり、ボディワークとインテリアの両方が、オーナーの厳密な仕様に合わせて、設計・製作された。ロールス・ロイスの歴史のロマンを表現し、かつてのボート・テイルのデザインを踏襲しながらも単なる模倣にはならないよう、歴史的なボディタイプと現代的なデザインとが絶妙に融合されている。



3台の壮大なボート・テイルのうち1台目は、2021年10月のコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステに展示された。2台目は、2022年のヴィラ・デステで世界公開される予定だ。



カスタマーひとりひとりに、ロールス・ロイスが自動車メーカーとして最上級のホスピタリティを提供する姿勢が、ビスポークを通じてひしひしと伝わってくる。「普通の」高級車では満足できない規格外の富豪たちを虜にさせるためには、並外れたアイデンティティが必要なのだろう。オーナーでもあり、作り手のひとりにもなれる車への愛は、ロールス・ロイスの強固さを超える強さであるに違いない。

オクタン日本版編集部

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