自動車コンクールの常識を覆す新イベントが来年ロンドンに誕生

Octane UK

ロンドン中心部を舞台とする新イベントが誕生する。目指すは、コンクールのコンセプトを一新すると共に、首都での新製品発表の場をメーカーやラグジュアリーブランドに提供することだ。主催するのは、ブレナム宮殿でサロン・プリヴェを開催しているパフォーマンス・イベント社。新たなサロン・プリヴェ・ロンドンは、2022年4月21~23日に、有名なロイヤルホスピタル・チェルシーで開催される。

ちょうど自動車業界と社交界のイベントシーズンが開幕する時期にあたるため、サロン・プリヴェと同等数の発表会やプレミアを呼び込んで、ロンドンを代表するモーターショーにできると主催者は見込んでいる。



パフォーマンス・イベント社の共同設立者であるデビッド・バグリーは、次のように語る。
「一流のコンクールを新モデル発表の場に選ぶラグジュアリーな自動車ブランドがますます増えています。だからモントレーウィーク(8月)には、あれほど多くのメーカーがクエイルやペブルビーチに集まるのです。続いて、ブレナム宮殿でのサロン・プリヴェ(9月)にやってきて、イギリスや欧州でのデビューを行います。サロン・プリヴェ・ロンドンは、その年最初のヨーロッパでの自動車イベントという位置づけですから、首都の中心部で注目を浴び、ターゲットとする市場に直接アピールする格好の機会となります」

イベント初日の木曜日はVIPとメディア向けのイベントを行い、金曜日はレディースデイ、土曜日に一般公開となる。ブレナム宮殿のサロン・プリヴェでは上流階級のガーデンパーティーのような経験ができるのに対して、ロンドン版は、より活気にあふれたスタイリッシュなパーティーといった雰囲気になるという。スポンサーのパビリオンに加え、自動車メーカーの展示やラグジュアリーグッズの取扱店、20を超える“質の高い”専門店が連なる特設ショッピングビレッジが来場者を迎える。また、最高級の食事と点在するカクテルブースの両方を楽しめるというのも珍しい。



だが何といっても最大の特徴は、メインとなるコンクールそのものだ。ブレナム宮殿のサロン・プリヴェは、国際審査員諮問グループ(ICJAG)認定の極めて伝統的な形式で、個人所有の車両を対象とするが、ロンドン版では「コンクール・ド・ヴァント」と銘打って、60のクラシックカーディーラーが販売車両を出品して競い合うのである。

この新フォーマットを考案したのは、バグリー兄弟のアンドリューのほうで、次のように説明する。
「世界で唯一の企画です。世界でも選りすぐりのコレクターカーディーラーが表舞台に立ち、初開催のサロン・プリヴェ・コンクール・ド・ヴァントに出品します。したがって、この新方式のコンクールでは、すべての出品車両が、3日間のサロン・プリヴェ・ロンドン期間中に販売されます」

「審査やトロフィーもありますから、ご心配なく。金曜夜にロイヤルホスピタル・チェルシーのグレイトホールで行うコンクール・ド・ヴァント・ガラディナーで、最も高い評価を受けたクラシックカーに最優秀賞のプリ・ドナーが授与されます。世界屈指のコレクターカーディーラーが、このときだけは“ゲスト”となるのです。カクテルパーティーやコンクール、パレード、ガラディナーなど、目白押しの3日間です。サロン・プリヴェのコンクール・ド・ヴァントは、コンクールの世界を引っくり返すでしょう」
クラシックカーオークションも開催されるかもしれない。詳細は公式サイト(salonpriveconcours.com)で確認してほしい。


舞台となるロイヤルホスピタル・チェルシーとは

ロイヤルホスピタル・チェルシーは、チャールズ2世の発案で、1682年に退役軍人のために設立された。建設を指揮したのは、セントポール大聖堂などで名高い建築家のクリストファー・レン。パリのオテル・デ・ザンヴァリッドを手本とした壮麗な建築は、300年余りを経ても変わらぬ姿でテムズ川沿いのランドマークとなっており、現在も退役軍人のための老人福祉施設として使われている。



従来、外部のイベントに場所を提供するのは年に3回だけだった。それだけに、「サロン・プリヴェ・ロンドンの舞台としてロイヤルホスピタルとの提携を発表できることは光栄」と主催者は述べている。5年契約の初年度となる2022年から、グレードIとIIに登録されている歴史的施設の南に広がるメインの芝生を会場として利用する。

ロイヤルホスピタルはウェストロンドンの中心に位置するため、道路でも鉄道や地下鉄でもアクセスしやすい。長年、チェルシー・フラワーショーやマスターピース・アートフェアの開催地となってきたことでも有名で、9月のブレナム宮殿に匹敵する舞台として選ばれた。

オクタン日本版編集部

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