[Octane UK版が選ぶ]いま買いのポルシェはどれだ?|空冷クラシック編

Octane UK

ここ10年以上もの間、クラシックポルシェの価格は上昇し続けているが、ベスト・バイのモデルとは何なのか?それは皆が気になるところだろう。カテゴリー別に本当の価値あるポルシェをグレン・ワディントンが解説する企画、第二弾は空冷クラシック編だ。

※この記事はOctane UK版2018年10月号に掲載された記事を編集翻訳したものです。


ポルシェが最後の空冷モデルを製造してから四半世紀が過ぎた。随分と昔のことのようだが、たとえ数の上では少数派であっても、50年という長い間、それらと共に辛抱強く最高の時間を過ごしてきたということを示している。そして、その中の1台は「世界で最も売れた空冷ポルシェ」という肩書きを与えられたものだった。

911ではないし、356でもない。我々は今、914について話をしているのだ。

フォルクスワーゲンとポルシェのコラボレーションモデルとして製作されたもので、格好の悪いフォルクスワーゲンの411サルーン(VWタイプⅣ)のシャシーを踏襲している。英国では正式モデルとして導入されなかったため、それほど名の知れたポルシェではないが、米国では大ヒットしたようだ。したがって英国で販売されているほとんどの914はアメリカから輸入されたものである。914はワーゲンポルシェという愛称をもつ。ちなみに北米では914はポルシェとして知られていたものの、ボンネットフードにポルシェのエンブレムを載せたことはなかった。

さて、実際に購入するならば1.7リッターではなく2.0リッターをおすすめする。なぜなら911のボディに4気筒エンジンを搭載した名車ポルシェ912のように、2.0エンジンのほうがよりポルシェらしいフラット4エンジンと言えるからだ。もちろん決して高いパフォーマンスを期待できるものではないが、1.7リッターの最高出力79馬力に対して2.0リッターでは125馬力までパワーアップされていて快適だ。このエンジンの気持ちよさはスピードの速さというよりはむしろ走りの爽快感に向けられている。914は事実ていねいにしつけられた車ではあるが、軽快な走りも可能なハンドリングマシンとしても高く評価されていた。そして、このどちらが前かわからないようなスタイリングにこそ、現代的なマシンとしての成熟度を感じるのは我々だけだろうか。

もしもあなたが、ありきたりの911ではなく、気持ちを高揚させてくれる特別なポルシェを欲しいと思うならば、15,000ポンド(約225万円)から20,000ポンド(約300万円)を用意すれば良い。その中の格別な1台を手に入れることができるはずだ。(編集部註:現在世界でもポルシェ914の相場は上がり気味で、英国で25,000ポンド、北米35,000ドル以下の個体は見つけづらい。6気筒モデルの914-6にいたっては日本円で1000万円前後のプライスとなる)



914と同様にポルシェ912も奇妙な車だ。簡単に言えばポルシェ911の流麗なボディに、後期型356のフラット4エンジンを搭載したものである。あくまでも結果論であるが、伝説的な初期のナローポルシェのルックスに4気筒エンジンをよりセンター側に搭載することで、軽量化と共に最適な前後重量配分まで実現しているのだ。そこには6気筒エンジンのような重厚なサウンドはもちろんないが、ビートル(VWタイプⅠ)のチェーンソーのような軽々しい機械音ではない、フラット6を搭載したほとんどの初期型ナローは50,000ポンド(約750万円)以上の価値になっているが、912はまだそこまでの高値にはなっていない。(編集部註:すでに912の軽快なハンドリングの魅力は知れ渡り、すでに日本円で1000万円以上の中古車も珍しくなくなっている)



それではオリジナルの356はどうだろう。最後に生産された356Cは最も取り回しがよく、最も安価に手に入れることができる。といってもそれほど安くはないが。質の良い356Cならば60,000ポンド(約900万円)もあれば手に入れることができるだろう。(編集部註:ディスクブレーキを採用した356Cは特徴的なバンパー形状のため人気がなかったが、現在はかなり高騰中。もちろん356AやPre A、さらにツインカムエンジン搭載車に至っては天井知らずの状態である)

文:Glen Waddington 編集翻訳:オクタン日本版編集部

オクタン日本版編集部

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