車と、人と、イタリアと。クラシックカーで彩り巡る人生のすすめ

ミッレミリアといえば、クラシックカーを愛する人ならば一度は憧れを持ったことのある存在ではないだろうか。美しいイタリアの地をクラシックカーで巡り、大勢の人々に応援される。多くの人からすれば、羨望の対象でしかないようなラリーであるが、そこで待ち受けているのは過酷な日々。それでも、出場を続ける理由とは何だろうか。また、そこから見えてくるのは、人間とクラシックカーの関係性の深さ。クラシックカーと共に生きるために本当に必要なものとは。ミッレミリアに出場を重ねる人物に話を伺った。

「私にとって、ラリーというのは、ドライバー、コ・ドライバー、メカニックの3人でひとつになって行うもの。どれかが欠けては成し遂げられない」
 
そう語るのは、ヴェテランカークラブ東京 副会長を務める瀧川弘幸氏だ。日本で開催されるラフェスタ・ミッレミリアなどのラリーイベントはもちろんのこと、本国イタリアで開催されるミッレミリアへの出場経験も豊富に持っている人物だ。そして今回は、実際にイタリアの地で出場したからこそ体験できる喜びや困難の数々、ミッレミリアが持つ魅力、クラシックカーが築く人とのつながりについて話していただいた。
 
まず、瀧川氏が属するヴェテランカークラブ東京とはなにか説明しよう。同クラブは1993年に発足したJAFの加盟クラブであり、国際的な自動車鑑定組織FIVA の総会で、国際クラシックカー連盟の会員組織としても認められた。そして、クラシックカーの文化が根付いているイタリアを代表するラリー「Mille Miglia(ミッレミリア)」の参加窓口として、日本で唯一、イタリア委員会より認定されている組織である。

ミッレミリアへは個人でもエントリー可能である。しかし、手続きや車両認定、セキュリティー面において、長年ミッレミリアへの大きな橋として活動してきたヴェテランカークラブ東京を介してエントリーをしたほうが、的確なアドバイスを受けながら、出場へのステップを踏むことができる。現に、個人でエントリーをして、車が窃盗されるという事態は決してめずらしいことでないという。


 
また、ヴェテランカークラブ東京は日本で開催されるラリーイベントのラフェスタ ミッレミリアやラフェスタ プリマべラの後援をすることで、国内のクラシックカー文化を盛り上げることを目指している。ラフェスタ ミッレミリアは1997年より、東京都と福島県 裏磐梯を結ぶ1000マイルのルートで開催されていたが、2011年の東日本大震災の影響を受け、やむなく関東甲信越ルートへと変更していた。しかし、2018年度の開催で8年ぶりに東北地方ルートが復活を遂げた。ラリーへの参加を重ねる多くのヴェテランカークラブ東京メンバーも、東北ルートへの懐かしい思いを述べていた。そして、そのクラブメンバーに求められることは、歴史的に価値のあるものに敬意を払い、国境を越えて友情の輪を広げること。そして、クラシックカーを愛し、走ることを楽しむことができる純粋な少年の心を忘れずにいることだ。
 

文:オクタン日本版編集部 写真:佐藤亮太 写真提供:ミッレミリア、瀧川弘幸氏 Words: Octane Japan Photography: Ryota SATO Images:Mille Miglia, Hiroyuki TAKIGAWA

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