女性ペアでフランス縦断を目指す本気ラリー!ラリー・デ・プランセス 2019を振り返り

Photography:Tomonari SAKURAI

2019年の今頃、パリの中心 バンドーム広場には旧車が並べられていた。普通のヴィンテージカーのイベントとはちょっと雰囲気が違って、なんとなく華やかだ。それもそのはず。女性ドライバーとナビゲーターも女性だけというこの年20回目を迎えたラリー・デ・プランセスのスタートだ。

ここを出発して南フランスの高級リゾート地のサン・トロペを目指す。5日間で1700kmを走破する。女性だからといってチンタラと走るセレブのラグジュアリーなドライブではない。高速道路は最終日にほんの数km使うだけである。コースにはタイム・アタックのあるスペシャル・ステージを含む本格的ラリーコースとなっている。というのもこのラリーの主催はザニロリ・クラシック=イベンツで、それを率いるのはヴィヴィアンヌ・ザニロリだ。その旦那さんのパトリック・ザニロリは1985年に三菱パジェロでパリダカ野洲照射である。その彼がフランスを縦断するコースを作っている。それなりの腕と度胸を必要とする。コースの案内図はもちろんレッキ帳でそれをナビが読み上げていく。


各ペアに渡されるレッキ帳。随行するオクタン撮影隊はこれとGPSとにらめっこで迷子にならないように…しかしこれに慣れるとGPSなんか必要なく、これだけで十分いけるようになるのだ。

参加する車両を見ると、その何台かはピカピカに磨き上げられているが、凹みや傷などがあり走り込んでいる本気の車両も見かける。ミニやMGなど比較的ポピュラーなものからジャガーCタイプやフェラーリ 250 GTカリフォルニア・スパイダーなども女性ペアでフランス縦断に挑むのだ!


80年代までの車両なので割と新しめのMINIも参加している。

最初のコースで早速煙を吹き出すMG。初日敗退か?と心配していると「スペアーカーで続行よ」という。さすがプリンセスである。

初日のゴールは300kmほど走りきったところでボーバルだ。ここにあるボーバル動物園にはパンダのいる動物園が有名。到着するとデブリーフィーグが行われ、あくまでも信号や制限速度を守るようになど“パパ”と慕われるパトリックから厳しく伝えられる。何台か途中で警察と一悶着あったようだ。そのあとは楽しいディナー。女性たちのそのパワーに圧倒される。夜10時くらいまではまだ明るい1年でも日の長い時期。その中で初日の宴が盛り上がる中、パーキングではメカニックがトラブった車両を整備している。ジャガーEタイプが“腹すり”をしたためエグゾーストパイプをひん曲げてしまった。それを外してバーナーで熱しながら修正している。


プリンセス達が寝床に入っても夜を徹してメカニックは忙しそうに修理をする。初日からハードなトラブル続出。

その横では別の車が調整をしている。翌日プリンセスたちが走り続けられるようスタッフのメカニックは夜を徹しての作業となる。元気でやや羽目を外し気味の初日が終わった。2日目は早くもフランスのちょうどど真ん中ヴィッシーを目指す。もちろんオクタン撮影隊は一部始終を見て体験するために全行程をプリンセスと共に走ったのだ! つづく…

写真&文:櫻井朋成 Photography&words: Tomonari SAKURAI

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