60年を経て蘇った!フェラーリ テスタロッサから再製作されたレーシングカー

Photography:Reverendpixel


 
既に80歳を超えていたにもかかわらず、ジョルジュもクロードも元気で、しかも依然として車を作り、レースに参加していた。ジョルジュの二人の孫はレーシングドライバーとして成功していた。すなわちナターシャ・ガシュナンとセバスチャン・ブエミである。ガシュナン兄弟の助けは欠かせないものだった。というのも、コークがトワイマンに課した仕事は、特徴的なボディのリアエンドを作り上げるだけでなく、標準的なテスタロッサとはまったく違うものを再製作することだったからだ。



新しいCEGGAフェラーリに本物のお墨付きを与えるためには、四輪ディスクブレーキを備えていなければならず、余ったテスタロッサ用ドラムブレーキは後にかなりの金額で売ることができた。


「私はニールの技術と才能を信頼しているが、何しろ昔のことだ。写真と彼らが記録していた数値を元に製作に取り組んだ。またジョルジュとクロードに定期的に写真を送って、私たちが間違っていないことを確かめた」

「ボディワークはトワイマン・レーシングの得意とするところで、作業は外注に出すことなく、自分たちのワークショップでフィル・バートンが担当した。彼は写真だけを資料に他の車を作り上げたこともある。どれほど多くの写真を集めたか、きっと驚くほどだよ。彼らはホイールのサイズを知っていたので、写真から寸法を測ることができた。またホイールベースも2405mmということが分かっていた。ジョルジュはリアセクションを製作するためにオリジナルのテスタロッサの2350mmからホイールベースを伸ばしていたんだ」
 
このプロジェクトには4年を要したが、2019年のグッドウッド・リバイバルまでには準備が整い、ジョルジュの目の前で初めてお披露目された。残念なことにクロードは出席できなかったが、車は些細なトラブルがいくつか見つかっただけで、サセックス・トロフィーレ―スを見事に走り切った。事前にテスト走行する時間がなかったことを考えれば、トワイマンの仕事のクオリティを証明していると言えるだろう。
 
それよりも重要なことは、ジョルジュからお墨付きをもらったことだろう。「車のできばえにはとても満足している。私たちがかつて製作したものよりずっといい仕上がりだ。もっとも、私たちにはレ―スに間に合わせるのに1年しかなかったが、デイヴィドは4年かけたからね!」

編集翻訳:高平高輝 Transcreation:Koki TAKAHIRA Words:James Page Photography:Reverendpixel

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