フランスで毎年行われるラリー、『Rallye des Princesses Richard Mille』。その出場条件は「女性であること」のみ。主催者も女性、ドライバーもコ・ドライバーも女性という、女性による女性のためのラリーである。クラシックカーでフランスの美しい景色の中を優雅に美しく駆け抜け、非日常の世界で存分にリフレッシュする。そんな甘美な世界をイメージするが、実際のところはさにあらず。タフなプリンセスたちの5日間を追いかけた。
ラリー・デ・プランセス リシャール・ミルのキーワードは"treat yourself"、つまり"自分へのご褒美"だ。プログラムを見ると、5日間かけてフランスの風光明媚な箇所を巡り、星付きの高級ホテルに滞在し、前夜祭やガラパーティーといった夜の催しも何夜か行われるようだ。"プリンセス"の名の通り、きっと優雅なお姫様のためのラリーなのだろう。行程表の走行距離を目にした瞬間、そんなイメージが疑問に変わった。5日間でトータル1700キロのコース。有名なイタリアのラリー、ミッレミリア( 1000マイル= 約1600 キロ)よりも長距離である。長い日には一日482キロを走行する。日本で例えると、本州を5日間かけて縦断しながら、日によっては東京から大阪までを一日で走るのに相当する。
晴天のもとパリをスタート
6月3日早朝。ヴァンドーム広場には多くのクラシックカーが集まっていた。参加者の女性たちが、このラリーのために誂えたのであろう揃いのコスチュームに身を包み、華やかに壇上からスタートしていく。1951年ブリストル401といった大型車から1989年ミニのような小型の車まで、年式や大きさの異なる90台は年式ごとに5つのグループに分けられた。グループ2(1946~1953年)、グループ3(1954~1963年)、グループ4(1964~1973年)、グループ5(1974~1983年)、グループ6(1984~1989年)といった具合だ。
19回目の開催となる今大会は、ラリーの認知度が向上したこともあり、参加者のうち5 0 %を初参加が占めたという。日本からも初めてリシャール・ミル顧客がエントリーし、リシャール・ミルがイベントを盛り上げるために用意したポルシェ356 や911 、メルセデス250SL・パゴダのうちの一台、1965年ポルシェ356で参戦した。
パリのヴァンドーム広場でスタートを待つ車両。リシャール・ミルからは6台の車両が提供された。
1951年ブリストル401。参加者中で最も年式が古いことと、そのボディサイズも相まって存在感が際立っていた。
スタートのステージでフランス国旗を振るのが主催者であるヴィヴィアン・ザニロリ。こうしてすべての車両を送り出す。
日本から参加した鈴木裕子さん・加藤紫織さんペア。ヘッドドレスから洋服まですべてをトータルコーディネイト。
車両のカラーに合わせた真っ赤なリボンとルージュ、マニキュアが印象的。揃いのジャケットのストライプまで赤を使うという凝りよう。
参加車両中で唯一の日本車だった1968年ホンダS800。
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