ウィリアムズ・レーシングと日本の大手重機メーカーコマツがパートナーに|マシン側面には「KOMATSU」ロゴ!

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日本の大手重機メーカーであるコマツが、ウィリアムズ・レーシングと複数年契約を締結し、2024年のFIAフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)開幕戦からプリンシパルパートナーとなることを発表した。

1980年代から1990年代にかけて、コマツはウィリアムズ・レーシングの重要なパートナーとしてF1に参戦し、同チームは大きな成功を収めている。この関係は、1987年にネルソン・ピケがF1世界選手権を制したウィリアムズ・ホンダF1マシンFW11のスパイラルベベルギア・プライマリー・ドライブの設計・製造を、フランク・ウィリアムズ卿がコマツに依頼したことから始まった。

1997年には、コマツがウィリアムズの名車FW19のギアボックスを設計・製造・供給。この年のウィリアムズは、11回のポールポジション、15回の表彰台、8回の優勝という大成功を収めた。最終的に、コマツのギヤボックスを搭載したウィリアムズFW19は、ウィリアムズドライバーのジャック・ビルヌーブとハインツ=ハラルド・フレンツェンがドライバーズチャンピオンシップで1位と2位を獲得し、ウィリアムズ・レーシングがコンストラクターズタイトルを獲得するという、稀に見る3冠を達成した。コマツは、その前年1996年にデイモン・ヒルがチャンピオンを獲得した際にもチームをサポートしている。

 両ブランドはこれまで築いてきた歴史に誇りを持っているが、今回のパートナーシップの目標は、2024年以降の新しい時代に歴史を刻むことである。

東京に本社を置くコマツは、100年以上にわたって機械製造分野のイノベーションをリードしてきた。「共に価値を創造する」というブランドプロミスに象徴されるように、同社は協力的なパートナーシップこそが、永続的なプラスの影響を生み出す最適な方法であると考えている。



今回の提携の原動力のひとつに、両ブランドが共有するビジョンの一致というものがあった。最先端技術、卓越した品質、揺るぎない信頼性など、コマツのDNAと価値観に組み込まれた強みはすべて、モータースポーツの最高峰であるウィリアムズ・レーシングが実証している。この新たなパートナーシップは、ウィリアムズとコマツの将来にわたる相互協力の基盤を築くものであり、さまざまな分野での協力、特に社員の育成やテクニカルエンジニアリングのエコシステムにおける潜在的な可能性の追求に取り組んでいくとウィリアムズは表明している。

コマツのロゴとブランドは、ウィリアムズの2024年式マシンであるFW46に大きくあしらわれるほか、来季のF1シーズン中、チームのオーバーオールやキットにも使用される。
ちなみに、ウィリアムズ・レーシングだけでなく、コマツはWRCラリー・スウェーデンのオフィシャル・パートナーでもある。

コマツの小川浩幸社長兼CEOは、今回のパートナーシップ契約締結について次のように述べている。

「コマツとウィリアムズ・レーシングは、イノベーションと人材育成という共通の価値観を持ち、パートナーシップを通じて、サーキットの内外で共に価値を創造していきたいと考えています。ウィリアムズ・レーシングとのパートナーシップは、ものづくりと技術革新を通じて価値を創造し、人々、ビジネス、そして地球が共に繁栄できる持続可能な未来を実現するというコマツの使命と一致しています」

ウィリアムズ・レーシングのチーム代表であるジェームス・ボウルズは、こう述べている。

「ウィリアムズ・レーシングは、コマツとの関係を再び築けることを嬉しく思っています。私たちは過去に共に大きな成功を収めており、今回の再会は、ウィリアムズ・レーシングの長期的なミッションであるグリッド上位への復帰に向けた重要なステップとなるでしょう。ウィリアムズとコマツはともに、目標を達成するために最高の若い才能を惹きつけ、育成することに全力を尽くしており、再び協力し合えることを楽しみにしています」 



日本を代表する企業の一つであるコマツが、F1の世界に再び帰ってきたことは日本人としても、F1ファンとしても喜ばしいニュースだ。

最近では、ケビン・マグヌッセンとニコ・ヒュルンケンベルグがドライバーを務めるマネーグラム・ハースF1チームでは、2024年シーズンの代表に小松礼雄氏が就任するといったニュースも話題になった。余談だが、ウィリアムズ・レーシングがコマツとウィリアムズの提携に関するニュースをX(旧ツイッター)でポストしたところ、マネーグラム・ハースの公式アカウントが

「Why is our team principal on your side pods? (なんでうちのチームの代表の名前が君たちのマシンに書いてあるの?)」

とリプライし、F1ファンの笑いを誘った。


いずれにしても、日本企業や日本人が活躍する今シーズンのF1に期待が高まっていることは間違いない。

オクタン日本版編集部

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