フランスの車イベントシーズンがスタート!第24回パリ横断冬の部 Traverse de Paris 2024

Tomonari SAKURAI

パリの気温は連日氷点下。時折ちらつく雪なんていう日もある。ここパリがこういった天候になることはさほど多くない。パリの冬は東京と大差なく、東京同様にちょっとした雪で交通が麻痺する。先日も大した雪でないのに鉄道が停まるなどしたために「一粒の雪でパリは大混乱」と揶揄されていた。

そんな中、年が明けて最初の大きな車のイベント、第24回パリ横断冬の部が今年も行われた。パリの東方ヴァンセンヌ城がスタート地点でパリをぐるっと廻って再びヴァンセンヌへ。コースはスタート地点で配られる参加プレートなどと一緒に知らされる。夏とは違って走行後のピクニックはない。今年はいよいよパリ オリンピック。誘致した頃とは違って予算は大幅に上昇、無料と言われた開催期間中のパリ市内の鉄道は2倍にすると決定。まるで詐欺のような状況だ。パリ周辺ではオリンピックに向けての工事があちこちで行われて準備は着々と進むものの人々の関心はうすく、オリンピックの話題をする人を見たことがない。そんなパリを横断するため、いつものアンバリッドやコンコルド広場など、車を停めて一騒ぎできるような場所は迂回され、ただコースを走り抜けるといったコース設定になっている。とにかく車と公害を嫌うパリ市の仕業というところだろうか?

この日の日の出の時間は8:40。夜が明ける前にヴァンセンヌ城をスタートするのだ。

スタート時点でマイナス4℃。それでも参加車はまずヴァンセンヌを目指す。この寒さで集まるのか?そんな心配をよそに、我が家からヴァンセンヌまでの道のりで多くの旧車達に出会った。このお城の前も停車することはできず、受付を済ませたらさっさとスタートしろというスタイル。参加車は通過するヴァンセンヌの森で停車して仲間を待ったり持ち込んだクロワッサンを頬張ってひとときを楽しんでいる。

氷点下の中ではさすがにバイクや自転車の参加車は少ない。しかしこの紳士はジャケットを纏って参加。

少ないバイクの中、カワサキマッハ750SSが参加。受付で渡されたコース図を確認する。バイクはページをめくりながら走るというわけにはいかないからね。

ヴェスパ400は荷物を積んでの参加だ。ヴァカンスへ向かうのか?

イエローヘッドランプが似合うシトロエンDS。

ホンダドリームCB450も元気よくスタート。

ルノーエスタフェットはカメラを向けるとフォグランプを点けてくれた。

今回のコースでメインの見所はモンマルトルの丘だろう。コースに合わせてモンマルトルの丘を登る。いつものコースではなく、もっと狭い道で頂にあるサクレ クール寺院を通過しないルートだ。代わりに画家の集まるテルトル広場を抜ける。すると、モンマルトル共和国の面々が鼓笛隊で車達を迎えていた。オーバーツーリズムの中、旧車と観光客でごった返す。

アーティスト達が準備するモンマルトルの丘のテルトル広場に駐車するビッグヒーレー。それを眺める画家。

モンマルトルの丘でお土産屋さんなどが並ぶ細い道をが今回のコースだ。

走り抜ける旧車たちに祝福を送るモンマルトル共和国の人々。

今度は丘を下っていく。

さて、見どころはここだけ?さてどうするか?コース図を渡されたからといって、パリジャンやパリジェンヌは馬鹿正直にそのルートに従って走るわけがない!? …という確信を持って、コースから外れているコンコルド広場に行ってみた。コースで通過する凱旋門周辺には遅れてやって来た車両がちらほら。その中でも何台かがコースを外れてコンコルド広場に繋がるシャンゼリゼ通りを進む。ほらね。予想通り工事で半分閉じられて狭くなっているコンコルド広場にもかかわらず旧車達が集っている。参加者だけでなくここを通った観光客達も交じって寒空の中みんな楽しそうにはしゃいでいる。これでこそパリ横断だ。

シトロエンAMI6もコンコルド広場に。後に見えるのがFIAの本部だ。

プジョーやモトベカン、ソレックスなどのモビレットの参加が少ないのを尻目にツェンダップは夏も冬も関係ない。ピカピカのツェンダップが集う。

コースを外れてコンコルド広場に集まる中の一台、シャガーEタイプ。シャンゼリゼを抜けてきた。後に凱旋門が見える。

年明けの合図となるパリ横断。これが終わると旧車の祭典レトロモービルだ。車好きの面々にはオリンピックよりもこっちの方が気になるのだ!


写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI

櫻井朋成

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