「ESC Garage & Club」は自動車趣味人のための秘密基地コミュニティ

ESC Garage & Club

八光エルアール株式会社が手掛ける大阪・立売堀の完全会員制ガレージ&クラブ「ESC Garage & Club」の概要については、以前の記事でお伝えした通り。そのオープニングイベントが先月、現地で行われた。

隠れ家的なエクスクルーシブな場所と聞いて事前に想像していたのは、都会にありながらもひっそりと佇む閉ざされた空間。しかし実際に訪れてみて驚いた。いたって普通の街中にあるのだ。近隣にはマンションやスーパーマーケットが立ち並ぶ、いわゆる日常の生活圏に「ESC Garage & Club」は存在していた。



オープニングイベントでは、世界のビッグメゾンも注目する盆栽師・小島鉄平氏と八光エルアール株式会社の池田浩八代表取締役のトークショーも行われた。

アストンマーティンのハイパーカー「ヴァルキリー」も展示され、オープニングに華を添えた。

道路沿いには、メンバー以外でも訪れることができるオープンスペースのひとつである「二甲料理店」があり、中に入ると「CARWASH BARBER」なる理髪店もある。愛犬家であれば、犬の幼稚園「bonne puppy+」の利用も可能で、地域の人にもオープンかつフレンドリーな施設であることがうかがえる。





その一方で、メンバーのみが利用できる限定的な空間も充実。Tom Dixonがデザインしたラウンジやサウナはプライベート感あふれる仕上がりとなっており、付近の生活圏の喧騒を忘れてメンバー同士で情報交換をするなど、リラックスできるクローズドな空間となっている。









なかでもoctane.jp読者がいちばん気になるのはガレージメンバー向けの専用ガレージだろう。ガレージは全17棟が用意されており、自分好みの空間を一から創り出すこともできる。オープニングイベントの際にすでに完成していたガレージもあった。ポルシェを愛するこのガレージのオーナーは、聞けばサーフィンをたしなむとのこと。シンプルな室内には海を感じるエッセンスが随所にあしらわれており、オーナーが心からくつろげる空間になっていた。





郊外のガレージではなく、街中にガレージをもつ意味とは何だろうかと考えてみた。都心のマンションなどで暮らしていると、どれほど車を愛していても、車に接することができるのは運転するときだけ。それ以外の時間はタワーパーキングにしまい込み、次に愛車の姿を見るのは再び運転するときだけ。自動車愛好家として、それではあまりに寂しいではないか。生活圏の近くである街中のガレージ(しかも自分好みに仕立てた空間)に愛車を置き、それを眺めながらくつろいだり、パートナーや仲間と語り合うことができるのは、都会に暮らすエグゼクティブにとってはこの上なく幸せな時間なのかもしれない。

施設全体に共通するのは、人々の繋がりの温かさ。どこか懐かしい気持ちになるのは、ハード面の充実だけではなく、そこに関わる人々の心意気が感じられるからこそだろう。ショップ、オフィス、ガレージ、ラウンジなどが連なった建屋を中心に人が集う。開かれた場所では開かれたコミュニケーションが行われるが、仲間しか知らない秘密基地のような場所も同じ空間に存在する。例えるなら「令和の下町コミュニティ」とでもいえようか。そこから、新しいアイデアが自然発生的に生まれ、それがどんな化学反応を起こすのだろうか。既存の枠を超え、若い世代も集う「ESC Garage & Club」の今後が楽しみだ。






文:オクタン日本版編集部 写真:ESC Garage & Club、オクタン日本版編集部
Words: Octane Japan Photography: ESC Garage & Club, Octane Japan

オクタン日本版編集部

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